松本智津夫元死刑囚の遺骨「粉にして太平洋に散骨する」四女代理人が方針明かす

スポーツ報知

 6日に死刑が執行されたオウム真理教の教祖、麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚(執行時63)の遺骨について、引き取り先に指定された四女の代理人を務める滝本太郎弁護士が11日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「粉にして太平洋に散骨する」との方針を明らかにした。国に費用負担も求めた。遺骨を巡っては、妻・三女側と四女側が対立。埋葬された場合、聖地化する可能性があるとして、捜査当局などが警戒を強めている。

 滝本弁護士は麻原元死刑囚の遺骨について、パウダー化して散骨するとの方針を示した。場所は太平洋を挙げ、「広いため、特定の『聖地』とはなり得ない」と理由を説明。オウム真理教の後継団体「アレフ」の信者らが四女を攻撃したり、遺骨を奪還したりすることが想定されるとして、費用負担などの支援を国に要望。「国相手に要請します。助けてください、助けてください」などと訴えた。

 滝本氏は「麻原彰晃の骨は、信者にとっては仏舎利で、お釈迦様の骨。これが誰のところに行くかということは大変な問題になる」などと指摘。執行翌日、麻原元死刑囚の遺体と対面し「顔をよく確認した。松本智津夫だった」と述べた。また、滝本氏は麻原元死刑囚の長男からSNSで殺害予告を受けたとして、警視庁に脅迫容疑で刑事告訴したことも明らかにした。

 6日に死刑執行された麻原元死刑囚を含めた7人のうち6人はオウム真理教の後継団体「アレフ」や遺族らに引き渡されたとみられる。9日に火葬された麻原元死刑囚の遺骨は四女が受け入れる方針を示していた。

 関係者によると、死刑執行の前、麻原元死刑囚は遺骨を四女に渡すことを求めたとされる。だが、妻と三女らは四女の意向に反発し、上川陽子法相らに遺骨の引き渡しを要望。「精神状態からすれば、特定の人を引き取り人として、指定することはありえない」などと主張している。遺骨は現在、四女の意向で、東京拘置所に保管されている。

 また刑が執行されていない元幹部の死刑囚6人について滝本氏は「マインドコントロールされて犯行に加わった。同様事件の再発防止のため話を聞く必要がある。執行すべきではない」とも語った。

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