樋田淳也容疑者逃走に田中喜代重弁護士、驚き「真に受けて言葉通りに従うなんて絶対ないはず」

スポーツ報知

 大阪府警富田林署から勾留中の無職・樋田淳也容疑者(30)が逃走した事件で、弁護士との接見を終える際、樋田容疑者が「自分で終了したと伝えるので、署員に伝えなくていい」との趣旨の話をしていたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。同署では接見に来た弁護士に対し、終了したら署員に声を掛けるよう依頼していた。弁護士退出後、短時間で逃走したとみられ、府警は、樋田容疑者が事前に計画していた可能性があるとみている。

 元東京地検検事の田中喜代重弁護士は、弁護士が署員に伝えず無言で接見室を立ち去ったことについて「本当なのか? と思ってしまうぐらい、あり得ないこと」と驚きの声を上げた。

 まず弁護士の立場として「そもそも接見相手がなんと言おうと、100%署員に声掛けをする」と断言した。接見には時間制限がなく、終了したことを伝えるのは、部屋を初めに出る弁護士しかいない。「小窓がついて署員がのぞける接見室もありますが、今回はなかったんですよね。署員が中の様子を知るすべが皆無なわけですから、なおさら弁護士自身が告げる必要がある」と対応に疑問を呈した。

 さらに「『署員に言わなくていい』『自分で伝える』と言われても『なぜその必要が?』と論理的に聞き返すのが弁護士というもの」と田中弁護士。「真に受けて言葉どおりに従うことなんて絶対ないはずなんですが…」と首をかしげていた。

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