「松本清張全集」全66冊のうち62冊が消える…北九州の図書館で

スポーツ報知

 福岡県の北九州市立中央図書館が16日、「松本清張全集」全66冊のうち、62冊が貸し出し用書棚からなくなっていたことを明らかにした。被害額は約20万円で、同館は窃盗事件として小倉北署に15日に被害届を出した。

 同館によると、最初に判明したのは9日の午前9時ごろ。開館前の巡回で、1階の松本清張コーナーの棚からごっそり本が消えているのを司書が発見した。その時点では57冊がなくなっており、その後に貸し出し状況の確認のために書棚を離れ、開館直後の午前9時35分ごろに現場に戻ると、残っていた6冊のうち5冊が新たに消え、最終巻の「老公 短篇6」だけが残されていたという。3冊は貸し出し中だった。

 8日の巡回時には書棚に異常がないことが確認されていたことから、全集は8日と9日の二段階に分けて持ち出されたことになる。書棚は貸し出しカウンターから約10メートルの場所にあり、雑誌コーナーも近いことから人通りの多い場所。図書館の関係者は「貸し出しの受付担当者や防犯カメラからは死角になってはいますが、常に利用者がいるような場所。どうやって大量の本を持ち出したのでしょうか?」と首をかしげた。

 本は縦19センチ、横13・5センチ。62冊分の重さは計約40キロとなる。2009年に松本清張の生誕100年を記念して発刊されたもので、同館は11年ごろに購入した。清張は同市出身ということもあり、他の作家と比べて借りる人が多かったという。

 同館は約49万冊の蔵書がある、市内最大の図書館。岡田准一(37)と榮倉奈々(30)が共演して13年に公開された映画「図書館戦争」のロケ地になったことでも知られている。

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