九州大会８強の熊本西高野球部の高２部員、練習試合で頭部に死球受け死亡

　県立熊本西高校（熊本市西区）の２年の男子生徒（１６）が、１８日に同高校のグラウンドで行われた硬式野球の練習試合中に頭部にボールが当たり、１９日に死亡が確認された。死因は外傷性くも膜下出血だった。

　熊本南署によると、１８日午後１時４０分ごろ、高校の男性教諭から「投手が投げたボールが打者の頭に当たり、意識がない」と１１９番通報があった。この日は県内の別の高校を招いての練習試合が行われており、午前中の第１試合の後、午後０時４５分から第２試合が始まっていた。

　生徒は右打者で、ヘルメットを着用。４回裏の攻撃中にバッターボックスに立ったところ、頭部付近に飛んできたボールを避けきれず、左側頭部に死球を受けた。頭部のけがの様子などから、ボールはヘルメットで防護されていない左耳の後部に直撃したとみられる。倒れた生徒は意識がなく、教諭らが自動体外式除細動器（ＡＥＤ）を用いて蘇生を試みたが、回復せず。その後、救急搬送された病院でも意識不明のまま、１９日の午前９時３３分に死亡が確認された。

　同高校の野球部は今年の秋季九州大会で８強入りし、県高野連から来春のセンバツの２１世紀枠推薦を受けている。亡くなった生徒は外野の控えとして、ベンチ入りしていた。部活には一生懸命に取り組んでおり、明るい生徒だったという。この日は６時限目を全校集会とし、事情説明を行った。動揺する生徒のためにカウンセラーも配置しており、北原政典副校長は「生徒が亡くなったことは非常に残念。他の生徒の心のケアも万全にしたい」と話した。