「はれのひ」元社長・篠崎被告に懲役5年求刑、弁護側は執行猶予を主張

スポーツ報知

 今年の成人の日に、新成人らが晴れ着を着ることができなくなるトラブルを起こした振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(1月26日破産)が、粉飾した決算書類で銀行から融資金計約6500万円を詐取したとして、詐欺罪に問われている元社長・篠崎洋一郎被告(56)の公判が20日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)で開かれた。検察側は懲役5年を求刑した。弁護側代理人は篠崎被告が最後まで晴れ着の手配をしようとしていたことなどを考慮しての執行猶予を主張した。判決は12月19日に言い渡される。

 求刑に先立ち、この日は被告人質問も行われた。篠崎被告は、最初に横浜市内に1号店を開店したが「自己資金はほとんどなく、売り上げをそのまま支払いに回している状況だった」と、当初から“自転車操業”だったことを告白。また、経理に関しては顧問税理士に丸投げをしており、「売り上げや粗利などは把握をしていたが、経費などはどんぶり(勘定)だった」と、ずさんな経営をしていたという。

 更に、運転資金が潤沢でない中で店舗数を増やしていったことについては、「多店舗展開をすれば、商品の充実など理想の経営ができると考えていた」と説明。その一方で「自分の中での見栄(みえ)とプライドもあったと思う」と計画には無理があったことも明らかにした。

 裁判官から債権者集会に出席せず、妻子と共に3月末に米国に出国した際の費用について問われると「妻の貯金を崩しました。航空券はマイレージを使いました。現地では家を借りましたが、外食もせず安いスーパーで食料を買っていたので」と証言。理由については「逃亡のつもりは一切なかった。ビジネスチャンスを探しに行っていました」と話した。

 最後は「もし、うちの娘がこのような目に遭ったらどれだけ悲しいかと思います。それを考えると、一生取り返しのつかないことをしてしまった。一生許されることはないと思います。深く、心よりおわび申し上げます」と謝罪。傍聴席の方に振り返ると約5秒間、深々と頭を下げていた。

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