平成最後の流行語大賞は「そだねー」

スポーツ報知
年間大賞に「そだねー」が選ばれ指さしながら笑顔を見せる本橋麻里

 今年話題になった言葉に贈られる「2018 ユーキャン新語・流行語大賞」が3日、都内で発表され、平昌冬季五輪のカーリング女子で銅メダルを獲得したロコ・ソラーレ(LS北見)の「そだねー」が年間大賞に選ばれた。当時のメンバーで今年9月に同チームの代表理事に就任した本橋麻里(32)は、壇上で「北海道のみなさん、取ったよー。そだねー」とナマかけ声を披露。平昌で冬季五輪過去最多となる13のメダルを獲得した日本の躍進ぶりを象徴する受賞となった。

 都内で行われた表彰式。大賞の発表で「そだねー」の言葉が読み上げられると、本橋はちょっぴり照れ笑いを浮かべながら登壇した。チームは米国遠征に出発したばかりで1人での出席。「ちょっと笑っちゃう。私たちでいいのかな?」とおどけながら「試合中はポジティブな言葉を発するという決まりがあった。その意味で、選んでいただいてとてもうれしく思います」と喜びの声を上げた。

 五輪から年間大賞に選ばれたのは、06年トリノ五輪女子フィギュアスケートで荒川静香さんが金メダルを獲得した際の技「イナバウアー」以来4回目だ。

 流行語大賞の事務局関係者によると、今回の大賞は国民に元気を与えた言葉としてピカイチの評価。紛糾せず選ばれたという。選考委員の言語学者・金田一秀穂氏(65)は「作られた言葉ではなく、自然に生まれた言葉であるので、ワザとらしさがない。今の日本が必要としている清潔感に満ちている」と絶賛した。

 思いもかけなかった五輪期間中のブーム。話題先行ぶりに当初はメンバーも困惑していた。競技よりも「そだねー」が持つ独特の北海道弁イントネーションに話題が集中。本橋は「最初は戸惑っていた部分もあった」と打ち明けた。

 さらに試合の休憩時間の間に、イチゴやリンゴなどのおやつを食べる姿までもがクローズアップ。メンバーの愛らしいルックスも相まって、「もぐもぐタイム」として人気が沸騰した。おやつの一つ、地元・北見で発売されているチーズケーキ「赤いサイロ」も即品切れ状態と社会現象も巻き起こした。

 それでも勝ち進むにつれ、カーリングという競技の未来を考えればポジティブな現象だと思うようになった。本橋は「(『そだねー』に)付随して『カーリング』という言葉を思い出してくれる。今では、誇りを持ってます」。この日も、あいさつの最後に「北海道のみなさん、取ったよ。そだねー!」と迷わず絶叫。「集大成そだねー」を披露した。

 事務局関係者は「今年はスポーツの活躍が目立った。それだけスポーツの方々がすごかったということ」と分析。「平昌の次は東京。来年も五輪選手の明るい流行語が出てきてほしい」と力を込めた。平昌から東京へ、流行語もバトンタッチ。五輪前年となる2019年も、スポーツ界発の流行語誕生に期待が集まりそうだ。(樋口 智城)

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