デンマーク、不法移民「島流し」か 政府計画発表に国内外から批判

スポーツ報知

 デンマーク政府は9日までに、何らかの理由で出身国に送還できない不法移民らを対象にデンマークの離島に「島流し」にする計画を発表した。政府は「法と秩序を守るため」と主張するが、国内外から「非人道的」との批判の声が上がっている。

 移民担当相は自身のフェイスブックで「(不法移民らは)必要とされていない。それを実感することになるだろう」と記載。“離島送り”は政府の反移民政策が反映された形だが、ロイター通信によると、国連のバチェレ人権高等弁務官は「計画を注視する」などと述べ、重大な懸念を表明。波紋を呼ぶ可能性がある。

 離島はリンドホルムと呼ばれ、動物感染症の収容施設などがあり、人はほとんど住んでいない。面積は約7ヘクタールで、首都コペンハーゲンから70キロ以上南方にあり、本土からは約3キロに位置する。現地には警察や警備関係者らが滞在し、収容者が所在地を報告することを条件に島を離れることもできるとしている。

 今後の計画ではこれらの施設を改修した上で、2021年までに約100人を収容する施設を建設するとしている。収容の対象には移民は〈1〉犯罪などの理由で難民申請は受理されなかったが、母国に戻ると身の危険が及ぶ可能性がある場合〈2〉安全保障上の問題が起こりうる場合〈3〉デンマークで罪を犯して服役し、国外追放の対象となったが、出身国が受け入れない場合―としている。

 離島での生活を義務づけるが、出身国への送還が可能になれば、すぐに手続きを始めるとしている。

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