若狭勝弁護士、勾留理由開示手続きでゴーン容疑者にプラスに作用したポイントを分析

2019年1月9日6時13分  スポーツ報知
  • 若狭勝氏
  • 14席の一般傍聴券を求め並んだ人たち(ロイター)

 私的な投資の損失を日産自動車に付け替えたなどとして、会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕された前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)は8日午前、東京地裁で開かれた勾留理由開示手続きに出廷した。昨年11月19日に金融商品取引法違反容疑で逮捕されて以来、初めてとなる公の場。野太い声で「I am innocent(アイ・アム・イノセント、私は無実だ)」を連発し、自身の潔白を重ねて主張した。一方、ゴーン容疑者の弁護団は同日午後に会見。勾留期間が今後半年以上に及ぶ可能性を示唆した。

 また、若狭勝弁護士が解説した。

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 一般的に勾留理由開示手続きとは、効果のないセレモニーのようなもの。裁判所が勾留の是非を判断する場ではないからです。だから、申立件数も少ない。

 しかし、著名人で発信力のあるゴーン容疑者の場合は、〈1〉海外も含めたメディアへのアピール〈2〉保釈請求への影響〈3〉裁判への影響という3つの点で効果があり、プラスになったといえるでしょう。開示手続きを行ったことは「検察へのガチンコ勝負を仕掛けたな」という印象すら受けます。

 まず〈1〉について、裁判まで人前に姿を見せず、発言機会がなければ「ゴーン容疑者」のイメージは定着します。ところが、明確に「私は無実」と強く訴えることで世間にインパクトを与えた。「人生の20年を日産にささげてきた」などと心情に訴える言葉があったのも、そのような意図でしょう。

 〈2〉について、勾留期限の11日に特別背任罪で起訴された場合、弁護側は保釈請求する方針ですが、申請が通るかどうかの判断に、今回の開示手続きの内容が少なからず影響を与える可能性はあります。〈3〉についても同様で、今の時点で「無罪」と強く訴えた事実は、後の法廷でも、裁判官は脳裏にとどめることになるでしょう。(元東京地検特捜部副部長、談)

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