捻挫で松葉づえ姿も…V10目指す里見香奈女流名人「全ての力を出したい」

スポーツ報知
岡田美術館を訪れ、楽雅臣(樂雅臣)作「輪廻熾」の前で笑顔を見せる里見香奈女流名人(左)と伊藤沙恵女流二段(カメラ・関口 俊明)

 将棋の「第45期 岡田美術館杯 女流名人戦」(報知新聞社・日本将棋連盟主催)でV10を狙う里見香奈女流名人(26)=女流王座、女流王将、倉敷藤花=と、2年連続の挑戦で初タイトルを目指す伊藤沙恵女流二段(25)による5番勝負が20日、神奈川県箱根町の岡田美術館で開幕する。

 19日、同町の箱根仙石原プリンスホテルでは前夜祭が開かれ、約70人の出席者を前に、2人が健闘を誓い合った。

 昨年12月、大阪市内の駅構内で階段を踏み外し、左足のくるぶしを捻挫した里見は松葉づえをついて登壇。スピーチでは「見るに堪えない姿で申し訳ありません」と切り出し、箱根入りしてからの関係者の支えに感謝。「今、持っている全ての力を出して、一手一手指していきたい。今年最初のタイトル戦なので、将棋そのものを楽しみたい」と笑顔を見せた。

 一方の伊藤は、これまで里見にタイトル挑戦を4度はねかえされ、昨期は3戦3敗でストレート負けを喫したが、今月3日に放送された「女流AbemaTVトーナメント」では里見をフルセットの末に下し、優勝している。「シリーズを盛り上げて、それが結果につながれば。厳しい戦いになると思いますが、全力でぶつかっていきたい」と巻き返しを宣言した。

 日本将棋連盟常務理事の清水市代女流六段(50)は「伊藤さんは今回は大変、自然体。(昨期の)悔しさが花開く番勝負になるはず。(里見)女流名人は(けがの)不自由さを新しい緊張感に変えて、進化を遂げた、いい戦いを見せてくれるのでは」とスピーチした。

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