池江選手の病気回復願い「スポーツ振興の神」東京亀戸・香取神社に参拝客続々

スポーツ報知
本殿では池江が「有言実行!」などと書いた文字が拡大され、飾られている

 競泳女子のエースで白血病を公表した池江璃花子(18)が五輪前に必勝祈願に訪れていた香取神社(東京・江東区亀戸)には池江の病気回復を願う参拝客が続々と訪れている。宮司の香取邦彦さん(71)は14日、「強い心で病を乗り越えてほしい」とエールを送った。

 多くのアスリートが訪れ、「スポーツ振興の神」として知られる香取神社。境内には、早くも「池江璃花子選手 病気平癒」と書かれた絵馬もあった。フィギュアスケートの羽生結弦や高橋大輔がけがをした際もファンが早期復帰を願い、参拝に訪れた。現役選手のほか、Jリーグ・F東京など好きなチームの必勝を願うファンも多いという。香取さんは「今後も池江さんの回復を願う参拝客は増えてくるのではないでしょうか」と話した。

 香取さんによると、池江はリオ五輪前の2016年6月24日にほかの五輪選手らとともに香取神社を訪れた。高校1年だった池江は、絵馬に「2016リオで決勝進出 2020東京で金メダルを取る! 必ず有言実行!」とつづった。その絵馬は今も保管されており、本殿には絵馬の文字が拡大され「祈 金メダル」の文字とともに奉納されている。

 リオ五輪期間中は、神社内で池江の泳ぐ姿をイラストにした上で、絵馬にあった「有言実行」の文字を入れた灯籠を飾った。香取さんが「スポーツ燈籠會(とうろうえ)プロジェクト」と名づけて始まったもので、体操・内村航平や陸上・ケンブリッジ飛鳥らの灯籠50基を並べ、必勝を祈った。

 香取神社は飛鳥時代の665年に創立。陸上経験者の香取さんが駅伝をテレビ観戦し「スポーツは戦いそのものだ」と感銘を受け、「スポーツ選手を応援する神社にしよう」と考えた。約9年前に、テレビなどで「スポーツ振興の神」として取り上げられたことで、注目度は急上昇。神社周辺には「スポーツの神」と書かれたのぼりも立てた。

 亀戸は池江がかつて練習拠点としていたスイミングスクールがあるなじみの土地。「克服してくれることを信じてます。手紙に勝守と絵馬を添えて送りたい。病に打ち勝ってほしい」。香取さんは祈るように話した。

 ◆香取神社 飛鳥時代の665年に創立。939年、平将門の乱が起きた際、藤原秀郷が参拝し、必勝を祈願し、平定に成功した。歴代天皇のほか、源頼朝や徳川家康などの武将、剣豪らが参拝し、必勝を願う神社として定着。スポーツ選手や勝利を願うファンが多く訪れる。必勝を願うお守りとして「勝守」が人気。

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