三陸鉄道の宮古―釜石間、8年ぶりの列車に中村社長「今日が第3のスタート」

スポーツ報知
釜石駅に入線した三陸鉄道リアス線の”一番列車”

 2011年の東日本大震災による津波で不通となっていたJR山田線の宮古―釜石間が23日、岩手県の第三セクター三陸鉄道に移管され、南北で接続する路線と合わせた全長163キロの「リアス線」として開通した。

 記念式典に先立ち、釜石駅で“一番列車”をバックに取材に応じた三陸鉄道の中村一郎社長は「ようやく再開の日を迎えられることを幸せに思います。沿線の方も待ち構えていることと思います」と感無量の表情。三陸鉄道は1984年に開業し、今年で35年となるが「(南北リアス線が)東日本大震災から復旧した時を第2のスタートとすれば、この日を第3のスタートとしたい」と今後の発展を誓った。

 秋には、沿線の鵜住居(うのすまい)復興スタジアムでラグビーのW杯が開催される。「大きなイベントを機会に、地元だけでなく首都圏の方々や海外の人たちにも三陸を訪れていただき、三陸鉄道に乗ってもらいたい。そのために、様々な企画を提案していきたいと思います」と中村社長。来賓や一般公募の乗客などを乗せ、同区間を8年ぶりに走る列車は、午前11時40分に釜石駅を出発。2時間弱かけて宮古駅に向かう。24日からは通常運転となり、1日に上下各11本が運行される。

 この日の開通により、東日本大震災の影響で不通のままなのは、福島県内のJR常磐線浪江―富岡間のみに。同区間は2020年3月末までの再開を目指している。

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