東日本大震災で不通のJR山田線、三陸鉄道に移管 「リアス線」宮古―釜石間開通

スポーツ報知
釜石市内の河原でも多くの市民らが8年ぶりに走る列車を喜んだ

 東日本大震災による津波で不通となっていたJR山田線の宮古―釜石間が23日、岩手県の第三セクター三陸鉄道に移管され、南北で接続する路線と合わせた全長163キロの「リアス線」として開通した。

 “一番列車”の出発を前に中村一郎社長は「ようやく再開の日を迎えられたことを幸せに思う」と感無量。三陸鉄道は1984年に開業し、今年で35年。13年には三鉄を舞台としたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が放送され人気となった。同社長は「南北リアス線が震災から全面復旧した2014年を第2のスタートとすれば、この日を第3のスタートとしたい」と今後の発展を誓った。

 来賓や一般公募の乗客らを乗せた列車は午前11時40分に釜石駅を出発し、同区間を8年ぶりに走行。沿線では大漁旗などを振る住民の姿が絶えず見られたほか、途中の各駅では伝統芸能などが披露された。

 列車は午後1時20分過ぎに宮古駅に到着。釜石駅前で出迎えた高校1年の高橋萌さん(16)は「バス通学の友人も多く、便利になると話していた。早く乗ってみたい」と話した。24日からは通常運転となる。

 また、この日の開通により東日本大震災の影響で不通のままなのは、福島県内のJR常磐線・浪江―富岡間のみに。同区間は2020年3月末までの再開を目指している。

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