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日本酒探しもAI革命、その美味しさを世界に

2018年3月27日15時55分  スポーツ報知
  • 5日間限定で渋谷GALLERY・PARCO内にオープンする「BAR YUMMY SAKE(バー ヤ・ー サケ)」のイメージPR画像。中央の「YUMMY ZONE」でAI技術を活用して“本当に飲みたい日本酒”が試飲できる

 春本番、桜も満開になって、この週末は最後のお花見を予定している方も多いのではないだろうか。

 桜を見ながら酒を飲む。なんとも風流なもので、日本の良さを再認識する。何を飲んでもいいと思うが、飲むとしたらやはり大好きな日本酒を飲んでしまう。

 日本酒が好きだと言うと、必ずといっていいほど言われることがある。

 「甘口、辛口どちらが好き?」「新潟の酒がいい?」などなど。

 日本酒を愛好してから20年以上変わらないこの手の会話。国酒日本酒に対するイメージは一部の愛好家以外には未だ固定化されており、先入観も強い。下手に先入観を持たずに飲めるといいが、やはりどこかで世間の評価やブランドなどに左右されてしまうのも事実だ。

 興味深いデータがある。楽天リサーチの調査によると、味わう前の“事前情報”が味の評価に影響を与える傾向にある、という。実際、銘柄や種類などの情報を一切与えない状態での試飲(ブランドテイスティング)と情報を得た上での通常のテイスティングでは、6割以上の人が情報を得た上での試飲に高い評価をつける傾向があった。

 日本酒の味わいはとても複雑で、様々な要素が絡み合って形成される。甘辛だけで表現できるものでなく、味覚も人それぞれ。自分の好みを伝えるのはなかなか難しく、それ故に、自分に合った日本酒に出会うことも簡単ではないのかもしれない。だが、情報に惑わされず自分の味覚に合った『本当に美味しい』と思える日本酒を提供するためのプロジェクトが動き出している。(株)未来酒店と(株)博報堂アイ・スタジオによる「PROJECT YUMMY」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000032754.html)がそれだ。ブラインドテイスティングとAIを活用し、その人の好みを探り、マッチする日本酒を提供する新たなサービスを開発した。

 利き酒師がセレクトした10種類の日本酒をブラインドテイスティングする。あとはスマートフォンでその評価と質問への答えを入力するだけで、利き酒師の監修を受けたAI技術が、12通りのタイプからマッチする日本酒を選定してくれる。

 12通りのタイプの表現がまた面白く、従来だと「スッキリして香りも控えめな辛口タイプ」とか「芳醇で香り豊かな旨口タイプ」といった説明的な表現が多かったが、このシステムでは「ビュンビュン」「キュンキュン」「スルスル」といったオノマトペ(擬音語)で表現する。なんのこっちゃっと思うかもしれないが、表現も楽しみの1つになる。「ビュンビュン」というイメージに合わなければ、自分で言葉を探してみるのも一興。「ビュンビュンな辛さ」、「スルスルな辛さ」など、辛いに一言添えるだけでも表現の世界が広がるわけで、そのスルスルな辛さとビュンビュンな辛さの違いを認識することが自分の好みを知ることにもなる。5月30日から6月3日までの5日間、期間限定で、東京・渋谷にこのサービスを提供する日本酒BARもオープンすることになっている。

 日本の酒蔵数は、平成初期には2000以上あったものが、現在1400ほどにまで減ってしまった。人口の減少が始まり、若者のアルコール離れも拍車をかけている。日本酒業界は、焼酎ブームがピークを迎えた平成15年に出荷量で逆転を許すなど、元気を失った。それでも、志ある若い蔵元や杜氏、関係者が必死になって旨い酒を造ることやその魅力を広めることに心血を注ぎつづけた結果、現在は海外への輸出が年々拡大。さらに、海を渡り、海外で日本酒造りを始める外国人杜氏も現れるなど、まさに世界に誇れる文化となっている。

 1つの蔵で様々な日本酒を造っていることから数万種類もの日本酒がこの国にはあり、その味わいもまさに百花繚乱。新酒がまだ飲める季節だ。先入観に捉われず、世界に誇れる日本酒を味わい、お気に入りの1本をぜひ、見つけたいものだ。その“旅”の過程も、また楽しみになる。(記者コラム・高橋 俊介)

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