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【プチ鹿島のプチ時評】上げ底靴も髪形も正恩氏の「努力」

2018年6月18日12時0分  スポーツ報知
  • プチ鹿島

 米朝首脳会談。タブロイド紙や夕刊紙は「金正恩シークレットシューズ使用疑惑」について触れていた。身長190センチのトランプ米大統領に対し金正恩氏は170センチ(と言われる)。しかし、実際に対面したら20センチ差は感じなかった。

 このことから金正恩の「上げ底」を各紙がネタにした。わざわざ足元を写した記事もあった。こういう報道に対して「そんなのどうだっていいじゃないか、下品だ」と思う方もいると思う。しかし、私は神は細部ならぬ下世話に宿ると考える。

 リーダーが国際社会でどう振る舞うかが外交なら「どう威厳を示そうとしているのか」をやじ馬的に見るのも大事だ。

 先日のG7もそう。各国は自国の首脳が話し合いの中心にいる写真を公開した。安倍首相も自分が真ん中にいてトランプ氏に詰め寄っているかのような構図の写真をツイッターに公開した。国が違えばアングルも違うのだ。その攻防を面白がるうちに情報戦を知れる。

 金正恩氏は自国民の目を考えるとトランプ氏の前で極端に小さくありたくない。だから靴に細工をしたとしてもそれは威厳を保つため。下世話な推察は大切だ。

 そう考えるとハッとする。金正恩氏の奇抜な髪形は何かと注目を集めてネタにされるけど、あれは視線を上に集めることで自分を大きく見せているのかもしれない。

 その昔アンドレ・ザ・ジャイアントという2メートルを超すプロレスラーがいたが、あのモジャモジャヘアは、かつらだったという説がある。自分をさらにデカく見せたいプロ根性だった。それなら金正恩氏が上げ底靴を履いたりヘンな髪形にするのも当然の「努力」なのかもしれない。

 ここまで書いてまたハッとしてしまった。「もしトランプ氏もシークレットシューズを履いていたら」である。みんなが金正恩氏の努力に注目している隙にトランプも上げ底靴を履いていたという可能性はないだろうか。相手の努力を無にする作戦。まさに外交だ。

 握手ひとつのシーンでここまで勘繰れるなら、情報戦にもそれなりに対応できる。下世話な視線を大事にしたい。(お笑いタレント、コラムニスト)

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