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はやぶさ2、着陸成功の要因はトンカツ!?津田プロジェクトマネージャーが明かした舞台裏

2019年2月22日16時0分  スポーツ報知

 公開中の映画「ファースト・マン」(デイミアン・チャゼル監督)は、米航空宇宙局(NASA)が1969年7月に人類初の月面着陸に成功したアポロ11号のニール・アームストロング船長の生涯を描いた作品である。ライアン・ゴズリングが主演し、母国の英雄を演じている。

 アームストロング船長と言えば、言うまでもないことだが、月面に降り立った時に初めて発したあまりに有名な言葉で知られる。

 「これは1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大いなる飛躍である」

 思わず口を突いて出た言葉、というロジックで伝説的に語られることもある名言だが、様々な文献を参照すると、月着陸船が月面に到着して以降、数時間にわたって綿密に練り上げたもののようだ。確かに、あのようにカッチリとした言葉を自然と発せられる人間など存在しないような気もする。なんせ、人類で初めて月に降り立った瞬間なのだ。普通の人間なら高揚と緊張でワケが分からなくなってしまう方が自然だろう。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」が小惑星りゅうぐうへの着陸に成功したと発表した。

 会見した津田雄一プロジェクトマネジャーは、開口一番に「本日、人類の手が新しい小さな星に届きました」とシンプルながらも情感に満ちた言葉を発した。迷いなく発していたので、おそらく50年前のアームストロング船長のように事前に準備していたセリフだったと思われる。

 会見の途中、聞いている側が思わず頬を緩めてしまうような言葉も聞かれた。津田マネジャーは言った。

 「降下開始に5時間の遅れが生じてしまいました。ちょっと(何かが)足りないんじゃないか、と思って、チームでトンカツとチキンカツを食べに行きました。成功の要因になったのではないかと思います」

 ユーモアあふれる語り口はアームストロング船長の偉大な言葉とは異なる味わい。思わず親近感を抱いてしまう言葉だった。(記者コラム)

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