【有森裕子コラム】カヌー薬物混入問題「ありえないし、信じられません」

2018年1月14日12時0分  スポーツ報知

 2018年になって、早くも2週間が過ぎました。スポーツ界は、昨年の終わりに勃発した元横綱・日馬富士関の暴行問題が現在も尾を引いていることに加え、カヌーでは年明け早々に他の選手に薬物を混入するという問題が発覚。ドーピングは絶対にやってはいけないことですが、それを他人に飲ませるというのはありえないし、信じられません。20年の東京五輪・パラリンピックに向けて盛り上げていかなければいけない時期の残念なニュースは、暗い気持ちになります。

 私はといえば、昨年はやや不本意な一年を過ごしてしまったような気がします。変な意味で安定してしまったというか、できることや来たものを忠実にやるだけで、「何かチャレンジしたか」「新たに何かを生み出したか」と自問自答すると、胸を張って「イエス」とは言えないもどかしさがあります。

 07年に競技生活を引退して、ちょうど10年が経過しました。その意味も含め、今年は新たなスタートという気持ちで物事に取り組んでいきたいと考えています。今のままではうわべだけになってしまいそうな自分がいるだけに、受け身の姿勢を変えていかないといけないと痛感しました。

 私は昔から現場主義、実体験主義なところがあるので、それをもう一度思い出し、自分から行動していきたい。このコラムでも紹介したかと思いますが、昨年9月にスイス・ローザンヌの国際オリンピック委員会(IOC)を訪問し、多くの人と意見を交換したのは、非常に刺激になりました。そんな経験を今年はもっと重ねていきたいですね。

 平昌冬季五輪の開幕まで1か月を切りました。平昌は、私が国内の理事長を務めているスペシャルオリンピックス(知的障害者にスポーツプログラムを提供する国際組織)で5年前に世界大会が開催された場所ということもあり、なじみがあります。日本人選手の活躍に期待するのもさることながら、まずは大会が無事に成功してほしい。そして、私自身も開幕までには今年の目標を定めたいと思います。(女子マラソン五輪メダリスト)

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