【プチ鹿島のプチ時評】政治家として麻生氏は不摂生

2018年10月29日12時0分  スポーツ報知

 ついうなってしまった記事があった。『高齢者の体力 更に向上』という調査結果である(読売新聞10月8日)。スポーツ庁が公表したのだけど、70歳代が過去最高だという。

 「高齢者には時間的、経済的な余裕があり、この世代向けのスポーツクラブの増加なども後押しとなっている」という解説が目を引いた。そういえば9月には「カロリー摂取量は60代が最多」という調査結果もあった(厚生労働省)。60代、70代のシニア層ほど3食バランスのとれた食事を取り、運動もしている。これは逆に言えば若い世代がカロリーをきちんと摂取せず運動もしていないということでもある。こういう生活状態に当てはまる言葉は何だろう? 「不摂生」だろうか?

 自信をもってそう言い切れないのはいくつかの事情も想像できるからだ。仕事に追われて運動する時間がない人もいるだろう。金銭面が理由の人だっているだろう。生活にゆとりがなくて運動もできずバランスのとれた栄養も取れない。きちんと仕事をしていても雇用状況でそうなる人もいるはず。だから「不摂生」とまとめて断言することは私にはできない。

 先日、麻生太郎財務相は不摂生で病気になった人の医療費を負担するのは「あほらしい」とした知人の発言を紹介し、「いいことを言う」と述べた。つまり「生活習慣の乱れで自ら病気を招いた人の医療費を負担するのは不公平との考えをにじませた」(時事通信10月23日)のである。

 ギョッとした。「不摂生」にならざるを得ない人たちがいるかもしれないという想像力のなさに。その人たちを冷たく突き放す態度に。麻生氏もその知人も健康維持の努力をしているのは素晴らしいと思う。でも皆が同じ条件で「努力」をできるわけではない。麻生氏は政治家として不摂生だ。まだある。酒場等での気の置けない友人たちとの会話は楽しい。でもそういう与太話を「公」の場でも持ち出すセンスである。致命的だと思う。

 それにしても、政治家として不摂生な発言をした麻生氏の尻拭い負担は「あほらしい」と周囲は思っているはずだ。(お笑いタレント、コラムニスト)

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