【日本ハム】「おにぎり君」横尾、CS初アーチで逆王手…栗山監督「らしい本塁打」

スポーツ報知
3回1死、左越えに先制ソロアーチをかけた横尾(捕手・甲斐)

◆2018 パーソル クライマックスシリーズ パ ソフトバンク2―4日本ハム(14日・ヤフオクドーム)

 日本ハムの横尾俊建内野手(25)が14日、ソフトバンクとのCS第1ステージ第2戦(ヤフオク)に「8番・三塁」で先発出場。3回の第1打席でCS初本塁打となる左越えソロで先取点を奪った。第1戦を落とし、負けられない大一番で「おにぎり君」の豪快なスイングがさく裂。試合は同点に追いつかれた後、8回の集中打で再び勝ち越し4―2で勝利。戦績を1勝1敗の五分に戻し、第1S突破へ逆王手をかけた。

 磨き続けたフルスイングで、横尾が豪快な放物線を描いた。高々と上がった打球は左翼線へ。フェアか、ファウルか。4万人近い観客がかたずを飲んで行方を見守る中、横尾だけは違った。「ファウルにはならない」。柵越えを確信し、一塁へ向けゆっくりと走り出した数秒後。打球は左翼ポール上部に直撃し、線審の右手が本塁打を示してぐるぐると回った。

 1ボールから千賀の128キロのスライダーに反応した。「変化球は狙ってはいない。甘いところを(打って)いこうと思っていました」。177センチ、93キロの体形から「おにぎり君」のニックネームで愛される男が、負けたら終わりの一戦で「らしさ」を発揮した。

 かわいらしい愛称と対照的に頑固な一面もある。代名詞はメジャーリーガーのような強振。「ゴロを打て」という指導が一般的な日本では、肯定されないことが多かった。小学生から大学まで、スイングを直される機会も多くあったという。背中を押してくれたのは、昨季まで日本ハムの1軍コーチだった現野球解説者の白井一幸氏(57)だった。「『そのままでいい』と言って頂いた。自信がつきました」と横尾。プロでも自分らしさを出せばいい。コーチの言葉で心が軽くなった。

 3年目の今季は自己最多9本塁打と覚醒の兆しも。「自分の特徴を出すことが1つのテーマ。横尾らしい本塁打だった」。リハビリ中のレアードに代わり三塁で先発起用する栗山英樹監督(57)も目を細めた。星を五分にして挑む最終戦。横尾らしい一発を、恩師もファンも待っている。(秦 雄太郎)

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