【楽天】ドラ1・辰己涼介が初の猛打賞 あるぞ!開幕スタメン

スポーツ報知

◆国際親善試合 ラミゴ7―7楽天=特別ルール=(1日、台湾・台北市天母棒球場)

 【台北(台湾)=片岡泰彦】楽天のドラフト1位・辰己涼介外野手(22)=立命大=が、実戦10試合目で初の猛打賞を記録した。1日の台湾・ラミゴとの国際親善試合(台北)に「2番・中堅」で先発出場。3回に左翼線を鋭く破る適時二塁打を放つなど、3安打1打点と大活躍。外野の定位置を争う田中が、右翼の守備で右足首を負傷して途中交代するアクシデントもある中、球団の野手では16年の茂木以来、外野手では初となる開幕スタメンへとさらに大きく前進した。

 快音を残した低い打球が、左翼線付近の芝生で弾んだ。1点リードの3回1死一塁。辰己はカウントを取りに来た初球の直球にバットを合わせた。悠々と二塁に到達すると、ボールが本塁に返球される間に三塁へ。俊足と逆方向への強打を持ち味とする男らしい一打で、チームに2点目をもたらすと、9回の第5打席では一、二塁間をゴロで突破。実戦10試合目で初の猛打賞だ。

 「シーズンに向けて、アピールするために結果が必要だったので、固め打ちができてよかった。ずっとボールは見えていたので、目と体が合致してくれたかなと思います」。3安打を3方向に打ち返し、クールな表情を少しだけほころばせた。

 思い出の地で躍動した。会場となった天母棒球場では、立命大3年だった17年8月に行われたユニバーシアード夏季大会で優勝している。「他競技の日本選手も同じ宿舎で、お互いに刺激しあって『オレたちも金メダルを取ろうぜ』って、みんなで一体となって戦ったんです」と目を細めた。

 体調管理にも細心の注意を払った。ユニバーシアードでは食事が合わず、体重が3キロも落ちた。反省を生かし、今回は宿舎で夕食をとった後、渡辺佳、小郷らと連日、日本に店舗があるハンバーガー店や牛丼店に通い、体重維持に努めた。

 この日、中堅のレギュラー候補・田中が右足首を負傷。開幕スタメンへ辰己への期待感は高まる一方だが「田中さんの代わりに出るんじゃなくて、田中さんと一緒にスタートから出たい」とドラフト1位ルーキー。あくまで自分の力で、外野の定位置をつかみ取りに行く。

 ◆辰己 涼介(たつみ・りょうすけ)1996年12月27日、兵庫県出身。22歳。社高から立命大に進学。3年連続で大学日本代表に選出され、4年時は主将。18年ドラフト1位で楽天入団。50メートル走5秒7の俊足に強肩が武器。180センチ、74キロ。右投左打。年俸1500万円。

 ◆楽天の外野レギュラー争い

 堅実な打撃で中軸を担う島内の左翼は決定的。4番候補のブラッシュは右翼が本職だが、現時点ではDHが有力。その場合、中堅と右翼を田中、辰己、オコエらで争うが、中堅は昨季新人王の田中がリード。残る1枠を辰己とオコエで争う。オコエがスタメンの場合、左翼に入って島内が右翼に回る可能性も。巨人から移籍の橋本、俊足好打のドラ7・小郷=立正大=もチャンスをうかがう。

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