東大・黒田主務、宮台のため公務員試験諦め留年 来春の試験突破へ「国を動かす一つの歯車になれれば」

スポーツ報知
学生生活最後の試合を終え、神宮送別会に参加した東大・黒田主務(中)

 東京六大学リーグ4年生の進路が、ほぼ出そろった。東大の黒田陸離(りくり)主務は、同じ法学部に在籍するエース左腕・宮台康平らとの最終学年に懸け、今春リーグ戦期間中の国家公務員採用総合職(キャリア)試験受験を辞退。在学(留年)を決意した。春は10連敗に終わったが、秋季リーグ法大戦では、15年ぶりの勝ち点奪取を支えた。また、全日本大学選手権を制した立大の4番・笠松悠哉内野手はヤマハ入りし、2年後のプロ入りを目指す。

 張り詰めた緊張感から、一気に解放された。東大・黒田主務は「正直、安心しましたね。このまま撤収しないといけないかな…と思っていましたから」。エース宮台が、10月26日のドラフト会議で、日本ハムから7位指名。直後の会見では司会を務め、感慨に浸った。

 1年秋にマネジャー就任。チーム内の投票で選出され、現役引退が決まった。「これで退部してしまう選手もいるけど、選ばれたからには、チームを支えていこうと」。宮台は同じ法学部。寝食も共にし、過ごした時間も濃密だった。「心強い存在でしたね。言いたいことは、どんどん言ってくる。それだけ信頼してもらっているということなので、ありがたいことです。いろいろ、こき使っていただきました」

 現4年生では就職浪人なども含め、5人が在学(留年)する見込み。黒田は来春の試験突破へ向け、勉強に励んでいる。「今後もスポーツに関わりたい気持ちはあります。マネジャーの仕事は、チームのために人を動かしていくことでした。これからは公務員として、国を動かす一つの歯車になれれば」。東大の躍進を支えた秀才主務が、未来の日本を変える日が来るかもしれない。(青柳 明)

 ◆黒田 陸離(くろだ・りくり)1995年5月24日、大阪市生まれ、22歳。東泉丘小3年から野球を始め、主に一塁手。全国屈指の進学校でもある中高一貫の西大和学園(奈良)へ進み、東大文科1類現役合格。現在は法学部。右投右打。

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