大学野球の球数制限導入、首都大学連盟以外の各連盟に広がるかは疑問符…アマキャップの目

スポーツ報知
東京六大学野球では球数制限導入を検討する予定はない

 首都大学野球連盟は1日、投手の故障予防の一環として、今春から投球数を“制限”する施策の導入を発表した。あくまでも「ガイドライン」とし、罰則は設けない。国際大会のWBCなどでは採用されているが、全日本大学野球連盟関係者が「聞いたことがない」と話すなど、大学球界では異例の試みとなる。

 今回、首都大学連盟が取り入れることにした投球数制限は、大学球界にとって画期的なものだ。だが、この動きが各連盟に広がっていくかとなれば、疑問符がつくというのが正直な印象だ。

 高校野球が春夏の甲子園に象徴されるように、トーナメント制の短期決戦で行われているのに対し、大学野球は2戦先勝の勝ち点制によるリーグ戦が主流。引き分けを除けば1カード最大3連戦とあって、関係者からは「大学野球にはなじまないのでは」との声も聞かれる。

 肉体的にも成熟期を迎えていると言える。実際、国際大会でも、高校生年代のU―18W杯では投球数制限を設ける動きがあるが、大学生年代にはないという。投手陣の層が薄いチームに不利に働くとの見方もある。

 もちろん、選手の故障予防という狙いは素晴らしいものだ。科学的な根拠もある。革新的な取り組みがどうなっていくか、今後の行方を見守っていきたい。(アマ野球担当キャップ・片岡 泰彦)

 東京六大学野球連盟・内藤雅之事務局長「選手を故障から守るという取り組みは大事なことだが、約2か月半のリーグ戦で行われる大学野球では、そこまで連投を強いられることはない。現時点で、そのような方策を検討する予定はない」

 東都大学野球連盟・白鳥正志事務局長「体育教員を養成する日体大や、医学部を持つ筑波大、東海大が所属していることを考えると、連盟としての特色が出てて、いいと思う。ただ、東都では複数の先発投手にリリーフと戦力が整っているチームが多く、1人が酷使されるケースは少ない。投球数制限の導入は考えてない」

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