北海道ガスから「日本代表選手を」元日本代表・小島監督がイズム”注入

スポーツ報知
全社員の前でお披露目された北海道ガス硬式野球部

 4月発足した社会人野球の北海道ガス(北ガス)硬式野球部が18日、札幌市内のホテルで創部発表会見を行った。元侍ジャパン社会人代表監督の小島啓民(ひろたみ)監督(54)は三菱重工長崎時代、1992年バルセロナ五輪で銅メダルを獲得。選手、監督として培った“小島イズム”を選手に注入し、日本代表選手の輩出を誓った。この日、初年度の所属選手16人も発表された。

 誰よりも目を輝かせていたのは、54歳のベテラン監督だった。北ガス硬式野球部の初年度の指揮を任された小島監督は「このチームから日本代表選手を輩出したい。逆に輩出できないと全国でも勝てない」と、内に秘めた熱い思いを口にした。

 自身の経験のすべてを注ぐ。長崎県出身の小島監督は三菱重工長崎時代に、指名打者として92年バルセロナ五輪で銅メダル獲得に貢献。三菱重工長崎では監督として、巨人・杉内俊哉投手(37)など多くのプロ野球選手も送り出した。侍ジャパン社会人代表監督も務めてきただけに、「日本代表はメンタルが強くないと。好不調に流されているようでは短期決戦で勝てない」と持論を展開した。

 存分に“小島イズム”を注入する。指揮官は「技術より、まずは心の持ち方。選手が考えて理解しないと、本物の技術は身に着かない」と言う。指導者が技術の指導を優先するばかりに、選手自身が考えずに練習することを危惧する。ヒントを与えながらも、選手が答えを自分で見つけ出すことを理想としている。

 初年度は、昨夏の甲子園に北北海道代表で出場した滝川西の鈴木愛斗投手、堀田将人内野手(ともに18)ら16人でスタート。きょう19日から本格的な練習が始まり、今年9月の日本選手権北海道地区予選への参戦を目指す。「目標は全国制覇。そのための土台を作っていきたい」と青写真を描いていた。(清藤 駿太)

 ◆“銅メダルコンビ”で共闘

 小島監督とともに92年バルセロナ五輪で左腕として活躍した渡部勝美ヘッドコーチ(55)も“銅メダルコンビ”で共闘する。北海道の社会人チームからの日本代表は、97年IBAFインターコンチネンタル杯(スペイン)で世界一に輝いた元NTT北海道の船尾隆広氏(現・札幌大谷高監督)以降、出ていない。渡部ヘッドコーチは「自分が経験してきたことを伝えることができれば」と、チームからの日本代表輩出を誓った。

 ◆稲葉SCO「応援していきたい」

 会見後に行われた北ガス硬式野球部の創部式には、侍ジャパン監督で日本ハムの稲葉篤紀SCO(45)が出席した。小島監督とは15年プレミア12で、ともにコーチとして小久保裕紀元監督(46)を支えた縁もあり、稲葉SCOは「小島さんが指揮を執ると聞いて、絶対に強くなると感じた。日本一になれるよう応援していきたい」とエールを送った。

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