【東都】東洋大・上茶谷、リーグ新記録の20K

スポーツ報知
東都リーグ新記録の20奪三振を指で表し、笑顔を見せる東洋大・上茶谷(カメラ・頓所 美代子)

◆東都大学野球第4週第3日 東洋大4x―3駒大=延長10回=(4日、神宮)

 東洋大のドラフト1位候補右腕・上茶谷(かみちゃたに)大河投手(4年)が、9回途中20奪三振の快投。92年の日大・門奈哲寛、02年の日大・堤内健の18奪三振を超え、リーグ新記録を樹立した。チームは9回に3点差を追いつかれたが、延長10回にルーキーの岡崎心右翼手がサヨナラ二塁打。救援した158キロ右腕・甲斐野央(ひろし、4年)が今季初勝利で連勝し、チームは勝ち点を3とした。

 リーグ新記録の1試合20奪三振を達成した上茶谷の第一声は、反省の言葉だった。「そんなことより9回が…。これで試合に負けていたらと思うと。(サヨナラ打の)岡崎が打ってくれて、ホントに助かりました」。2安打完封目前の9回先頭から、3連打を浴びて降板。エースとして、追い付かれた責任を感じていた。

 中2日の先発でも、初回からエンジン全開だった。先頭の緒方理貢から、3回先頭の若林楽人まで、8者連続三振。初回先頭からの連続三振は、プロでも「7」が最多。2回は振り逃げがあり、1イニング4奪三振の珍記録。3回で早くも10三振を奪っていた。この日最速の149キロの直球に、スラーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットを巧みに操り「全部の変化球で三振を取れたのが良かった」と分析した。

 日本ハム・清宮の三振が、快記録を“演出”した。最速152キロ右腕は2日の日本ハム・楽天戦(札幌D)、楽天・岸の投球をテレビで見て、チェンジアップの解禁を決意。「エグイなって。イメージが大事だと思って、動画をめっちゃ見ました。試合で試さないと分からないと思って」。封印を解いた秘球で4奪三振。投球の幅も広がった。

 杉本泰彦監督(58)も「140キロ中盤の真っすぐはスピンが利いて、ベース上で生きていた。大学生や社会人のレベルではなかなか打てない」と褒めた。

 今季開幕戦でリーグ戦初勝利を挙げた右腕の評価は、ドラフト1位候補まで急上昇。スタミナと制球力を武器とする右腕が、3季連続Vへ導く。(青柳 明)

 ◆上茶谷 大河(かみちゃたに・たいが)

 ★生まれとサイズ 1996年8月31日、京都市生まれ。21歳。181センチ、85キロ。右投右打。

 ★球歴 小学1年で野球を始める。京都学園では2年春からエースも、甲子園出場なし。東洋大では1年秋に2部で初登板。今春は6試合で4勝、防御率1・72。

 ★珍名さん 「上茶谷」という名字は、インターネットサイト「名字由来net」によると、京都が起源で、全国でも90人ほどしかいないという。チーム内での呼び名は「カミチャ」。右腕は「京都にしかいないと聞いたことがあります。先祖も含めて、お茶関係の仕事だったという話は聞いたことがありません」。

 ★憧れの投手 ダルビッシュ有(カブス)

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