北海道ガス、創部初陣で1勝 サイン決定は3日前

スポーツ報知
4回1安打と好投した北ガス・清水

◆練習試合 北海道ガス2-0北海学園大=7イニングの特別ルール=(5日・札幌市内)

 白星発進だ―。今春創部した社会人野球の北海道ガス(北ガス)硬式野球部が5日、札幌市内で札幌6大学リーグの北海学園大と創部後初の対外試合を行い、2―0で初陣を飾った。0―0の7回2死満塁で2番・大友祥之内野手(22)=学法石川―立正大=が決勝の中越え2点適時二塁打。投手陣は3投手の継投で7回を2安打零封。選手にとっては久しぶりの実戦で、上々のスタートを切った。

 張りつめた緊張感から解かれると、北ガスナインからようやく笑みがこぼれた。北海学園大に2―0の勝利。記念すべき“1勝”に、元侍ジャパン社会人代表監督の小島啓民(ひろたみ)監督(54)は「ただの練習試合ですよ」とおどけながらも、「もちろん勝った方がいい。守りもしっかりしていたね」と、上々のデビュー戦を振り返った。

 先発した左腕・清水洋二郎(22)=函館ラサール―慶大=が試合を作った。この日、最速138キロの直球を主体に4回1安打無失点。4回に無死一、三塁のピンチを背負うも、「緊張もしたが、先取点だけは与えたくなかった」。後続を断ち、3投手での零封リレーを完成させた。

 投手陣の力投に打線も応えた。0―0で迎えた7回2死満塁で、2番・大友が先制の中越え2点適時二塁打だ。これが決勝打となり、「緊張もあった中で、勝負どころで1本出せてよかった」。練習試合とはいえ、多くの観客が見つめる異様な空気の中での勝利に、やっと肩の力を抜いた。

 4月に創部。既存社員5人を加えて16人でスタートを切ったが、人数不足で紅白戦などの実戦練習はできなかった。選手は全員、仕事の後に練習する。サインは3日前に覚えたという。この日はサインミスを連発するなど、連係に課題は見せたが、小島監督は「今はまだ基礎。社会人野球とはどういうものなのかを、教えている段階」と先を見据えた。

 まだ戦いは始まったばかり。8月には初の道外遠征も予定し、都市対抗優勝チームなどとの練習試合も計画する。清水は「悪い投球したら、会社に行きづらくなる」と笑った。期待を胸に、北ガスの一歩を刻んだ。(清藤 駿太)

 ◆北ガス硬式野球部 2018年4月2日に創部。初代監督に元侍ジャパン社会人代表監督の小島啓民氏、ヘッドコーチに元サンワード貿易監督の渡部勝美氏(55)が就任。ともに1992年バルセロナ五輪銅メダリスト。初年度は選手16、監督・スタッフ4の計20人でスタート。専用球場はなく、恵庭市や石狩市内のグラウンドを借りて練習している。9月の日本選手権北海道地区予選からの参戦を目指す。

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