コーチ兼任の“二刀流”大谷の兄・龍太所属のトヨタ自動車東日本、悲願の都市対抗出場!

スポーツ報知
初の都市対抗出場を決め、胴上げされるトヨタ自動車東日本・大谷龍太(カメラ・山口 泰史)

◆都市対抗野球東北地区予選 ▽第1代表決定戦 トヨタ自動車東日本(金ケ崎町)4-2日本製紙石巻(石巻市)(6日・岩手県営)

 都市対抗野球東北第1代表決定戦が6日、岩手県営野球場で行われ、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手(23)の兄・龍太外野手(30)が所属する、トヨタ自動車東日本が創部7年目で初の代表に決定。13日に開幕する本戦(東京D)に初出場する。

 声にならない雄たけびを上げながら、歓喜の輪へ走った。仲間と抱き合い、人さし指を天へ突き上げる。強豪・日本製紙石巻を下しての第1代表。「7年やってきて、やっと全国に出られる。最高です。でもこれがスタート。まずは1勝できるようにやりたい」。この日は1番・左翼で出場し4打数無安打だったが、喜びに浸りながらも初の大舞台を見据えた。

 兄は7学年上。187センチの長身ながら50メートル5秒8という快足が武器だ。地元・岩手の前沢高からクラブチームの水沢駒形野球倶楽部(岩手)、独立リーグの四国IL・高知を経て、12年4月に創部されたトヨタ自動車東日本入りした。当初は選手13人。自前のグラウンドもなく、雪深い冬には投手3人が投げられる程度の屋内練習場でのティー打撃と、ウェートトレ。投打ではないものの、外野手とコーチの“二刀流”としていくつものハンデがあったが「午前で上がらせてもらったり、気を使ってもらった」と周囲の支えもあり、チームとして成長してきた。

 弟・翔平のことを聞かれると「帰ってLINE見てみようかなと、たぶん来てないでしょうね」と苦笑い。「テレビでしか見られないですけど、応援してます。全国と無縁だったんで、やっと出られると報告します」。堂々の主役として、東京Dのグラウンドに立つ。(山口 泰史)

 ◆父・徹さん「うらやましい」

 大谷兄弟の父・徹さんがスタンドから観戦。自らも三菱重工横浜で主に外野手としてプレーしたが、都市対抗への出場はかなわなかっただけに「2人とも野球を続けてくれて、1人は社会人で1人はプロで。うらやましい部分もありますよ。(都市対抗に)出たことないし。チームメートと会社に感謝しながら、できる限り長くやってもらいたい」と初出場を喜んだ。兄弟がそれぞれ新しいステージに立つことについては「(翔平が)新しい場所に移った年に、兄も都市対抗。偶然ですけどね」と目尻を下げていた。

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