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昨季不振にあえいだソフトバンク・摂津が見つけた理想の投球

2017年2月16日10時30分  スポーツ報知
  • グアムで下半身強化するソフトバンク・摂津(1月撮影)

 鬼のようなトレーニング量をこなしていた。先月、取材で訪れたグアムでの光景だ。立っているだけでも汗が噴き出る炎天下。走る、走る。苦しそうな表情を浮かべながら、それでも立ち止まろうとしなかった。ソフトバンクの摂津正投手(34)。その言葉が実に印象深かった。

 「ローテーションで決まっている選手に勝つには、それ以上のことをやらないといけない。もう一度、初心に戻ってやりたい。ガムシャラにやっていた頃みたいに…」

 私がホークス担当1年目だった2009年に入団してきた選手。物静かだけど芯が強そうだな、というのが第一印象だった。

 プロ1年目からリーグ最多の70試合に登板し、5勝2敗34ホールドを挙げて新人王。入団から2年連続で最優秀中継ぎ投手にも輝いた。先発に転向してからの充実ぶりも言うまでもなく、12年に沢村勝と最多勝。一昨年まで5年連続で2ケタ勝利をマークし続けた。ところが、昨季は7試合で2勝。登板機会に恵まれず、心身ともに苦しい毎日を送ったはずだ。

 「ずっと悔しい思いをためていました。後で振り返って、自分にとっていい時間だったと思えることが大事。マイナスには考えてないですよ」

 嫌な質問をぶつけたと思うが、表情も口調も、本当に穏やか。膝や股関節の不安もなくなったといい「1年目の気持ちですね」と声を弾ませた。

 不振にあえいだ期間に発見もあった。きっかけは黒田(元広島)の投球。ストライクゾーンで巧みに勝負する映像を何度も見て「黒田さんは(内角と外角の)どっちにも投げられる。(自分も)型にはまらないように」と言い聞かせた。持ち球はカーブ、スライダー、シンカー。そのどれもがカウント球、勝負球になる理想を追いかけている。

 ドラフト1位の田中正義や、3年契約の最終年を迎えた松坂大輔が注目されるソフトバンク。でも、昨季まで5年連続で開幕投手を務めた実力者がいる。「今年はできるものはすべて出してみようと思ってます」と摂津。ベテランの底力で、また大きな花を咲かせてほしいと思っている。(記者コラム・長田 亨)

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