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あの時から確信していた、大谷翔平の“規格外”

2017年10月17日16時0分  スポーツ報知
  • 13年の目標に、「エースで四番」と力強く筆でしたためた大谷
  • 13年、春季キャンプで子供たちにサインする大谷

 これはスケールの大きな人間になるな。そう直感した。

 来季米メジャーリーグへの移籍が確実視されている日本ハムの大谷翔平投手(23)。投げては日本最速の165キロを記録し、打っては特大のホームランをかっ飛ばす説明不要の二刀流スーパースター。それは2012年の12月に日本ハム入団会見を終えた翌日、新年用の撮影をしたときの事だった。高校生ながら豪快に「エースで四番 大谷翔平」と書かれた書き初めに、度肝を抜かれた。

 「練習してみる?」こちらの気遣いをよそに「いや、大丈夫です」と筆を取ると、用紙いっぱいに文字を書き入れてみせた。バランスを見ながら丁寧にという感じではない、それこそ一気に筆を走らせる。あまりに力強く大胆な字に、書道の心得があったのか尋ねると「ないです」と屈託のない笑顔で答えた。

 「字は大きく書きなさい」。担任の高校教諭に指導されたことがある。それまで私は、記入欄や答案用紙、原稿用紙にちまちまと小さな文字を書き込む人間だった。小学生の時、漢字の書き取りを小さく書かいた方が二重丸をもらいやすかったからだ。恩師の指摘まで、小さな文字で書くことが良いのだと思い込んでいた。

 恩師はこう付け加えた。「枠いっぱいに字を大きく書く人間は器も大きい。自信に満ちているものだ」。そういう人物になれというメッセージだったのだろう。今でこそその意味を身にしみて感じるようになったが、当時18歳の自分にそんなこと分かるはずがなかった。それだけに、あの時の自分と同じ年齢の大谷の、自然体でのあの筆使いに、彼の大きさを感じたのである。

 さらに驚いたのがルーキーとして臨んだ春季キャンプのときだった。沖縄・国頭村の2軍施設で、すでに投打にその才能を見せ始めていた大谷だったが、とにかく書くサインがデカいのである。はみ出すのではと心配になるほど幅いっぱいにサインされた色紙を見て、うれしささえ感じた。後に知ったことだが、筆跡心理学という分野では、字を大きく書く人の性格に積極性や寛大さの傾向があると分析されるそうだ。

 入団から5年。10月4日の本拠地最終戦で「4番、ピッチャー大谷」のアナウンスが札幌ドームに響いた。ついにあの書き初めの言葉通りとなった。そしてスケールの大きさも証明した。まだメジャー移籍を明言してはいないが、二刀流というプロ野球の常識の「枠」を飛び出し海を越えようとしている大谷。彼が躍動する姿にMLBファンはきっと驚くだろう。米国でも「エースで四番」が実現するだろうか。大谷翔平の活躍に期待したい。(記者コラム 写真部・杉山 彰一)

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