•  スポーツ報知のWebサイト限定コラムがスタートしました。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

ロッテ・井口が引退しても、引退しないこと

2017年11月28日16時58分  スポーツ報知
  • 井口監督

 ロッテ・井口監督が誕生した。実績、人間性は申し分なく、いずれ監督になる器とは思っていたが、まさか現役を退いてすぐに大変な役目を引き受けるとは思わなかった。ましてや最下位を独走したチーム。男気あふれる井口のことだ。情にほだされたのだろう。

 デスパイネが抜けた穴は大きく、前年14勝の石川も調子が上がらなかった。伊東監督も過去、こんなに苦しいシーズンはなかったんじゃないか。個人的な意見としては、辞める必要はなかったように思う。しかし、それを「よし」としない人であることも、以前、担当として間近で接して知っている。伊東監督の無念は、きっと井口が晴らすはずだ。

 井口が「引退しても引退しない」と宣言していることがある。自身が監督(兼選手)を務める草野球だ。2005年にホワイトソックスで世界一に輝いたことを記念し、当時の関係者と「ゴールデン・ソックス」を結成。話が持ち上がってからの動きは速かった。井口の用具を扱っていたメーカー担当者の手によって間もなくユニホームが完成。どこからかグラブ、バットも集まり、本拠地で試合がある日には、試合前に球場隣の公園で練習をするようになった。そのオフ以来、神宮球場、西武ドーム、品川区、新宿区の軟式野球場…と場所を変えながら毎年試合が組まれ、わざわざ米国から駆けつけるメンバーも。打ち上げの席では、活躍した選手に監督直筆サイン入りグッズなどの賞品が贈られる。今年も12月に開催の予定だ。

 現在のエースは川越英隆2軍投手コーチ、主軸は清田育宏。慣れない軟式球にも2人は器用に対応。川越は際どいコースに容赦なく投げ込み、清田はサク越えを披露する。井口が96年アトランタ五輪で二遊間を組んだ盟友、今岡誠がスポット参戦し、名コンビを復活させた年もある。今岡は今オフ、阪神2軍コーチからロッテ2軍監督に就任。正式メンバーとして「ゴールデン・ソックス」に入団することが濃厚で、戦力アップは間違いない。

 井口は勝負に厳しい男だ。「草野球であろうと、勝たなくてはダメです」とハッパをかけ続け、結成以来10年間、公式戦無敗を誇った。しかし、昨年初黒星を喫してしまい「結成から10年がたって高齢化しているとはいえ、やっぱり負けると悔しい。来年に向けて全員もう一度、練習をしてきてほしい」と厳しい言葉でナインに奮起を促した。草野球に対しても、こう。井口監督は必ず、ロッテを復活させるはずだ。

 (記者コラム・田中俊光)

  • 楽天SocialNewsに投稿!
コラム
今日のスポーツ報知(東京版)