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挫折も味わったオコエの2年目…最後に見つけた“秘密のボタン”

2017年12月11日16時0分  スポーツ報知
  • 8日に成田空港に到着したオコエ

 楽天・オコエ瑠偉外野手(20)の2年目が終わる。8日早朝、メキシコから成田空港に帰国した。11月下旬からメキシコのウインターリーグに出場していたが、出場機会に恵まれず、十分な練習時間を確保出来ないことから、自ら離脱を申し入れたという。

 それでもオコエは「悔しいはあまりないですね。自分としては、メキシコに残ることが自分のためかと言ったらそうではないと思ったので、日本に帰ってしっかり練習しようと思った」と晴れ晴れとしていた。

 激動の1年だった。17年のはじめは、父・ボニーさんの祖国・ナイジェリアで迎えた。厳しい環境で白球を追う野球少年に心を打てれて帰国。だが、直後に交際女性とのハワイ旅行を週刊誌に撮られると、1月30日にキャンプに備え久米島入りするも胃腸炎でダウン。なんとか2月1日には間に合ったが、右薬指を痛めて2日に早くも帰京、手術もした。8月上旬にようやく1軍に昇格。10月上旬には再び腸炎で検査入院するアクシデントもあったが、CSや侍ジャパンの試合にも出場した。

 そんな1年の締めくくりだったメキシコ生活。約2週間を過ごした太平洋に面した人口30万人前後のロスモチスは、オコエいわく「周りに何もなかった」。毎日のようにタコスをほおばる生活だったという。試合出場こそ限られたが、収穫もあったという。

 「何もかもが違いましたよ。試合前の練習も試合前のバッティングも3、4人で10分くらい回して終わり。日本じゃ考えられないですよ。でも試合になると変わるんですよ。選手の気持ちの切り替えの部分はすごかった。一気にスイッチが入るときは入るし、モチべーションの保ち方はすごかった」

 かつて筒香(DeNA)や東浜(ソフトバンク)も中南米のウインターリーグに参加。日本での飛躍につなげた。オコエも「やる気スイッチ」とも「オコエスイッチ」とも言える、“秘密のボタン”の存在を知った。「自分の経験になったと思う。また来年も頭から結果を出せるように頑張りたい」と何度もうなずいていた。

 とはいえ来季の外野は熾烈な争いが待っている。怪力・ペゲーロと全試合出場の島内を軸に聖沢、岡島、田中が後を追い、新人の岩見(慶大)、耀飛(BFL兵庫)もその座を虎視たんたんと狙っている。

 2年目の多くの経験をスポンジのように吸収し、またひとつ大きくなったのだろう。メキシコから帰国した直後の成田空港。来季への意気込みを聞くと、少し考えて、こう答えた。「なんだろう…。胃腸炎にならないようにします!」。(記者コラム・安藤 宏太)

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