大会史上初の女子胴上げ投手 大淀ボーイズがジャイアンツカップ優勝

スポーツ報知
優勝しナインに胴上げされる大淀ボーイズ・島野

◆報知新聞社主催第12回全日本中学野球選手権ジャイアンツカップ〈最終日〉(17日・東京ドーム)大淀ボーイズ2―0東練馬リトルシニア

 大淀ボーイズの女子右腕・島野愛友利(あゆり)が2点リードの最終回のマウンドに上がり、東練馬リトルシニアの反撃を押さえて、女子選手として大会史上初となる優勝投手となった。

 ポニーテールの背番号1が東京ドームのマウンドに登ると、スタンドが沸いた。「(先発が)完投できるのにマウンドを渡してくれてありがたかった」。小林将起監督やチームメートに感謝しながらも臆することはなかった。指揮官は「島野に決勝まで連れてきてもらった。胴上げ投手にしようと考えていました」6回の追加点で迷うことなくエースを投入した。

 先頭打者から6球続けてボールが続き、四球と連打で一死満塁のピンチにも最後の打者を投ゴロ併殺に打ち取るとナインの歓喜の輪に加わった。優勝インタビューでは「2年半頑張ってきて本当に良かった」と号泣した。

 抜群のコントロールに鋭いカーブとチェンジアップを交えた投球で、2回戦の江戸川中央リトルシニア戦は2失点、準決勝の弘前聖愛リトルシニア戦は3失点の2戦連続の完投勝利でチームを決勝の舞台に導いた。6回の左前適時打で島野の登板を“アシスト”した山下来球(ききゅう)主将は「エースのために守ってなんとかアウト3つ取りたかった。頼りになります」と信頼を寄せる。

 今春からエースナンバーを託された。結果が出ない時は体格差を理由にした時もあったが、中学硬式野球の頂点に上り詰めた。「この経験は一生ものです。今後も自分次第なのでここで終わらないようにしたい」。神戸弘陵高に進学後は、女子野球を続け、将来は選手を含めた野球関係の仕事を目標にする15歳はしっかりと前を見据えている。

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