膳所「データ班」で59年ぶりセンバツだ…滋賀1位進学校はIT駆使し分析

スポーツ報知
打球傾向のデータを見る膳所の平井崇博(左)と新井将太

 第90回センバツ高校野球記念大会(3月23日から13日間・甲子園)の出場校を決める選考委員会は26日、大阪市内で開かれる。一般選考33校(四国地区の明治神宮大会枠1校を含む)と21世紀枠3校の計36校を選出する。21世紀枠候補の膳所(ぜぜ、滋賀)は、データ班として入部した2人が相手の打球傾向などを分析した“IT野球”が特色。県内トップの進学校が、59年ぶり4度目出場の吉報を待つ。

 出場校発表を翌日に控え、昨秋の県大会で8強入りした膳所は滋賀・大津市内の同校グラウンドで汗を流した。上品充朗監督(48)は「甲子園に出られたら光栄。2人のおかげ」と感謝したのは、データ班として入部した「野球に興味がない」野津風太外野手と“カープ女子”の高見遥香外野手(ともに1年)だ。

 チーム内では外野手扱いだが、ともに練習に参加することはなく、ユニホームもない。公式戦などで相手の打球傾向などを調べ、グラウンド全体を198分割した図に書く。パワーポイントで作った資料を見て、野手は打者ごとに守備位置を決め、外野2人など大胆なシフトも敷く。「能力が低い子が多いので、打球が正面に飛んでくるところに守れば、捕れる可能性が高くなる」と、指揮官が発想を転換したのがきっかけだ。

 昨秋からは滋賀大と提携してデータベースの充実を図っている。「野球をやったことがない子が部員に野球のレクチャーをする。面白い光景です」と上品監督。昨年度は東大に3人、京大に66人を輩出した進学校は、創立120周年を祝う朗報を待つ。(伊井 亮一)

 ◇センバツ出場校の選考手順 選考委員会は午前9時開始。戦力以外の特色も考慮して選ばれる21世紀枠3校を選出した後、一般選考の33校を選出する。午後3時に21世紀枠を発表し、一般選考は北海道地区から順に発表。同4時頃までに出場36校が出そろう。組み合わせ抽選会は3月16日。

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