2年連続センバツの静高、強打支える厳しい体幹トレに潜入

スポーツ報知
多彩なメニューのトレーニングに励む静高ナイン

 昨秋、接戦を粘り強く制して勝ち進んだ静高。身長180センチを超える大型選手は小林晃輝(2年)1人だけで、ほとんどが170センチ台だが、ナインの放つ打球は鋭く、力強い。年間を通して体幹を鍛える厳しいトレーニングが、強固な体を作り上げている。

 身長はなくても中身が詰まっている。そんな静高ナインの強い体を支えているのが、東京で鍼灸(しんきゅう)院を開いている中村努さん(53)。栗林俊輔監督(45)とは「もう20年近い付き合いです」と笑う。監督が歴任した磐田北や浜松工でもトレーニングのメニューを組み、選手の指導にあたってきたのだ。

 単にバーベルを挙げて筋力アップを図るだけではない。重点は体幹の強化に置かれている。約2時間の厳しいメニューは、シーズン中は週1回、オフは週4回。体育館1階のトレーニング室は選手の気合とうなり声に包まれるが、ひと冬越えると、その体は見違えるようにたくましくなる。

 体力だけではない。自分を極限まで追い込むトレーニングは「精神面の強化にも役立っているのでは」と栗林監督は分析する。このメニューで培われた我慢強さが、試合でリードを許しても慌てない心に、そして昨秋の逆転勝ちの連続につながったと感じている。

 大石卓哉部長(37)も浜工でコーチを務めた際に中村さんと知り合い、のちに三ケ日(現浜松湖北)の監督に就いたときに指導をお願いした。その体幹強化が11年春の県8強入りにもつながり、「選手は心も体も成長しました」と感謝する。

 ナインの体の治療も担当しており、栗林監督の過去5回の甲子園と同様に、今春のセンバツにも帯同する。「選手のコンディションを整えて、目標達成をサポートしたい」と中村さん。静高の進撃を全力で支えていく。(里見 祐司)

野球

×