駒大苫小牧・大西、球速UP狙い2段モーション挑戦中!

スポーツ報知
出発前に茶木部長(手前)の話を聞く駒大苫小牧ナイン

 新ルールを飛躍の糸口にする―。第90回センバツ高校野球大会(3月23日開幕・甲子園)に出場する駒大苫小牧が15日、鹿児島・種子島合宿へ向けて新千歳空港を出発した。エース右腕・大西海翔(2年)は今オフ、2段モーションに挑戦中。「合宿では実戦も増えてくるので、新たに課題も見つけられれば」と、南国の地で新フォーム完成を目指す。

 この冬の大西の課題は球速アップ。昨年11月の明治神宮大会での最速は120キロ後半で、「直球を速くするためにどうすればいいか、ずっとブルペンで考えていた」。試行錯誤の末に行き着いたのが2段モーションだ。今季からルールが改正され、足を何度も上げ下げするなど目に余る場合は注意されるが、罰則は受けないこともあり、茶木圭介部長(40)の助言を受けながらフォーム改良に踏み込んだ。

 新フォームはノーワインドアップから軸足に体重を乗せることを意識し、上げた左足を一度停止させてからタメを作って投げ込む。これまではセットポジションから体重移動だけで投げていたが、大西は「体重が前に行かないようにタメを作れるようになった」と好感触。下半身の粘りが加わったことで左肩の開きも抑えられ、球威は増した。

 手応えもある。11日には猛吹雪の中で今オフ初実戦となる紅白戦を敢行。先発した大西は3イニングを2安打無失点と好投。佐々木孝介監督(31)は「大西だけがよかった。一冬越えて球の力がついてきた」と太鼓判を押した。大西も「あとは完投できるか。精度を上げていきたい」。約1か月後に迫る大舞台へ、種子島で仕上げに入る。(清藤 駿太)

 ◆反則投球 投手板に触れずに投げたり、打者が構える前に投げることを定義。日本では独自の注釈として公認野球規則で「動作を途中で止めたり、変更してはならない」という“2段モーションルール”を定め、走者なしなら「ボール」、走者ありの場合は「ボーク」を宣告していた。だが昨年、西武の菊池雄星投手(26)の判定基準などを巡って騒動となり、今年1月のプロ、アマ合同の日本野球規則委員会で投手の「2段モーション」を「反則投球」と定めていた日本独自の項目を削除することを決めた。

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