聖光学院・五味、高さ30Mの防球ネット超える特大サヨナラ場外弾

スポーツ報知
美里工戦の9回1死、左翼越えのサヨナラ弾を放つ聖光学院・五味

◆練習試合 聖光学院3xー2美里工、聖光学院3-2美来工科(8日、美里工グラウンド)

 沖縄合宿中の聖光学院(福島)は練習試合解禁日の8日、沖縄市内で美里工、美来工科(ともに沖縄)と対戦。両試合とも3―2で勝利した。美里工戦で6番・右翼の五味卓馬(新3年)が、特大のサヨナラ弾。投手陣は上石(あげいし)智也(新3年)が美里工戦、須藤翔(新2年)が美来工科戦に先発し力投するなど、23日開幕の第90回記念選抜高校野球大会(甲子園)へアピールした。

 左翼手も見失うほど、高々と上がった聖光学院・五味の一打が“開幕戦”勝利を引き寄せた。2―2で迎えた美里工戦の9回1死、両翼95メートルの左翼後方にある高さ約30メートルの防球ネットも越えたサヨナラ場外ソロ弾に、「しっかり球を見られていた。手応えはありました」と笑顔の五味。美里工・神谷嘉宗監督が「(ネットを越える打球は)あまりない。130メートルくらい飛んだのかな」と驚く特大の一発だ。

 約4か月ぶりの対外試合。打撃陣は苦しんだ。昨秋公式戦打率は3割8分9厘、1試合平均9得点の強力打線だが、この日は2戦とも3得点。紅白戦と違い、様々なタイプの投手との初対戦に、斎藤智也監督(54)は「反応する感覚がまだ身についていない。春は打てないぞ、と(選手に)言ってきた」と明かした。

 そのなかで五味は、冬場の打ち込みでも直球と変化球を交ぜて投げてもらうなど、反応する感覚を常に磨いてきた。本塁打は直球をたたいたが、「甘い球を振ろうと思って、うまく反応できた」(五味)と成果を実感。4打数3安打1打点だったこの一戦は6番で、3打数無安打だった美来工科戦は3番に座った。昨秋務めた4番に戻るため、強打をアピールしていくつもりだ。

 今後について「本能的に対応する力を蓄積できるか」と指揮官が話せば、五味も「センバツまで1打席、1球を大切にしてベストの状態で入りたい」と決意。五味に負けじとチーム全体が調子を上げ、昨秋を超える強力打線を形成する。(有吉 広紀)

 ◆聖光学院今後の予定 5日から始まった沖縄合宿を13日まで行い、昨秋九州大会出場の興南などと練習試合を計8戦実施する。14日にチームは福島へ戻り、矢吹主将らは大阪へ移動して15日のキャプテントーク、16日の抽選会に臨む。チームは16日に大阪入り。20日正午から甲子園練習。ともに昨秋京都府大会8強の鳥羽や龍谷大平安など、練習試合を6試合戦ってからセンバツに向かう。

 ◆五味 卓馬(ごみ・たくま)2000年6月26日、東京・府中市生まれ。17歳。小1から野球を始め、浅間中では武蔵府中シニアに所属。聖光学院では1年秋からベンチ入り、2年秋から右翼手レギュラー。177センチ、77キロ。右投右打。血液型O。家族は両親と兄。

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