星稜のドクターK・奥川、7回11K0封

スポーツ報知
昨年センバツ4強の報徳打線を7回2安打無失点に抑えた星稜・奥川(左)

 第90回記念センバツ高校野球大会(23日開幕、甲子園)に出場する星稜(石川)は17日、兵庫・西宮市で練習試合を行った。昨年センバツ4強の報徳学園(兵庫)との対戦では、先発した最速146キロ右腕・奥川恭伸(2年)が7回2安打無失点11奪三振の快投、主将・竹谷理央(3年)と5―0の完封リレーを見せた。倉敷工(岡山)にも7―6で勝利した。富山商は、東洋大姫路(兵庫)と対戦して1勝1敗。第1試合で139キロ右腕・石橋航太(3年)が7―1で完投勝利した。

 奥川の怪腕が、昨年センバツ4強の報徳打線を沈黙させた。7回を投げて11三振を奪い、2安打無失点。「目標はもちろん無失点だった。いつも通りの投球ができれば抑えられると思った」。まだあどけなさも残る表情で淡々と振り返った。

 昨夏に2年生ながら高校侍ジャパンとしてU―18W杯に出場した小園海斗遊撃手(3年)とも初対戦。3回に外角直球で「思い描いた通り」の見逃し三振に仕留めるなど、4打数無安打に封じた。今秋のドラフト上位候補の小園も「久しぶりにすごいピッチャーだなと思った。速いし、チェンジアップの使い方もうまかった」と脱帽した。

 昨秋公式戦の奪三振率は、今大会トップの10・57(53回2/3、63三振)を誇る。奥川は「意外ですね。ただ地域でレベルも違うので…」と謙遜するが、8日の練習試合解禁後は甲子園常連校相手に3試合計13回を投げて5安打無失点、23奪三振。奪三振率は驚異の15・92とすごみを増している。「三振は特に狙っているわけではなく、取るべき場面で取れればいい。本当は初球や2球目で打ち取って、なるべく少ない球数で抑えるのが理想」というのが“星稜のドクターK”の投球論だ。

「150キロ狙いたい」 石川・宇ノ気中3年時には全国中学校軟式大会で日本一にも輝いた。「センバツでは1試合でも多く経験して成長につなげたい。一番の目標はチームが勝つために失点を少なくすることだが、数字的には150キロも狙いたい」。2019年ドラフト注目の16歳にとって、甲子園のマウンドはさらなる進化の舞台となる。(勝田 成紀)

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年4月16日、石川・かほく市生まれ。16歳。宇ノ気小2年で野球を始め、内野手兼投手。宇ノ気中1年冬から投手に専念し、3年時に全国中学校軟式大会優勝。星稜高では1年春の北信越大会で公式戦初登板。1年秋の北信越大会では背番号1をつけた。将来の夢は「プロ野球選手」。182センチ、82キロ。右投右打。家族は両親と兄。

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