駒大苫小牧ナイン、「野球」の名付け親にセンバツ制覇誓う

スポーツ報知
圓満寺で中馬庚さんのお墓に手を合わす駒大苫小牧・佐々木監督(手前)

 23日開幕の第90回センバツ高校野球大会(甲子園)に出場する駒大苫小牧は21日、豊中市の圓満寺を訪れ、「ベースボール」を「野球」と訳した故・中馬庚(ちゅうま・かのえ)さんの墓参りをした。この日は中馬さんの命日でもあり、佐々木孝介監督(31)ら選手全員で4年ぶりのセンバツ出場を報告。選手、指導者として日本に野球を根付かせた功労者へ、感謝を抱くとともに日本一への思いを膨らませた。

 雨が降る墓前に、佐々木監督は花を添え、手を合わせた。4年ぶりとなるセンバツ出場の報告。「ありがとうございます」―。日本に野球を根付かせてくれた中馬さんの眠る圓満寺で、野球ができる感謝の思いを胸の内で語りかけ、改めて日本一へ誓いを立てた。

 どうしても、行かねばならない場所だった。毎年、圓満寺から宿舎が近い北海道代表は、中馬さんの墓参りを恒例行事としている。2004年夏の甲子園で道勢初優勝した当時の主将だった佐々木監督も、決戦前に墓参した。3月21日は中馬さんの命日。「(聖地に)戻ってきた感じ。身が引き締まります」と指揮官は士気を高めた。

 明治時代の偉大な教育者から多くを学んだ。1870年に現在の鹿児島県で生まれた中馬さんは、第一高等学校、東京帝国大で名二塁手として活躍。大学2年時にベースボールを野球と訳し、一塁、遊撃など各ポジションの訳語もつけた。中馬さんが追求した礼を重んじる日本の野球道が、現在の高校野球につながっている。佐々木監督は「野球を広めてくれた方。感謝の気持ちです」と語った。

 24日の静岡との初戦が目前に迫り、「スタメンのイメージはできてきている。(昨秋の)明治神宮大会で良かったからといって関係はない。今、いい選手を使うだけ」と決意をにじませた。選手として日本一を果たした次に狙うは、監督としての日本一。戦う準備は整った。(清藤 駿太)

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