静高・山本、サク越え「10本以上行きました」…「恐怖の9番」24日・駒苫戦へ不安一掃弾

スポーツ報知
大石部長が見守る前で素振りをする静高・山本

 第90回記念センバツ高校野球大会が23日、甲子園で開幕する。24日に駒大苫小牧(北海道)との初戦を控える静岡高は22日、開会式のリハーサルに臨むと、午後は兵庫県尼崎市のベイコム野球場で練習。右手人さし指を痛めている9番の山本貫太一塁手(3年)がフリー打撃でサク越え弾を次々と放ち、周囲を驚かせた。

 軽く振ったように見えるバットから放たれた打球が、大きな放物線を描いて左翼の芝生席へ飛び込んで行く。両翼は91メートル。決して広い球場ではないが、山本は119メートルある中堅のバックスクリーンにも放り込み、「10本以上は行きましたね」と白い歯を見せた。

 19日の練習試合の最終打席で右人さし指を突き指した。20日の練習では裏方に回り、21日はノックを受けただけ。バットを振るのは3日ぶりだ。そんな山本が打球を飛ばしまくった。当初はティー打撃だけにする予定だったが、「緩い球なら大丈夫かな」とフリー打撃のケージに入った。ピッチングマシンではなく、打撃投手の小岩が投じるスローボールに対し、4分間を2回の約80球。それで結果を出した。チームメートに驚きの目を向けられて、「いつもよりいい感じでした。自分もビックリです」。

 右手が使えない分、左手でしっかりとミートできたという。「無理しないようにやっているのが、ちょうどいいのかも」と栗林俊輔監督(45)。昨秋は7番だったが、9番の加茂が打撃好調で、今月の練習試合から打順が入れ替わった。それでも明るさを失うことなく努力を続けており、大石卓哉部長(37)も「さすが貫太。心の強さが出ましたね」と目を細めた。

 23日の開会式後の練習では、マシンの速い球を打つ予定。一方で、上位打線につなげる役目を考えて、バントの練習も欠かさない。1発もある「恐怖の9番打者」が、駒苫戦で大暴れを見せそうだ。(里見 祐司)

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