【センバツ】選手宣誓した瀬戸内・新保の短い春終わる「最後に隙があった」

スポーツ報知
4回2死二塁、中越え適時二塁打を放つ瀬戸内・新保

◆第90回センバツ高校野球大会第1日 ▽1回戦 明秀日立(茨城)4─ 3瀬戸内(広島)(23日・甲子園)

 開会式で堂々とした選手宣誓を披露した瀬戸内の新保利於(しんぽ・りお)主将(3年)の短い春が終わった。1点リードの4回2死二塁から、左中間を破る適時二塁打を放った。9回にも内野安打で2安打1打点の活躍を見せたが、最終回に逆転を許し「最後に隙があったのが相手との差です。最終回に先頭を出すのはダメ。良い勉強になりました」と悔しそうに振り返った。

 普段はおとなしいタイプで「人前で話すのは得意じゃない」と話すが、開会式では48秒間にわたる選手宣誓で無数の拍手を浴びた。初戦も第1日に組み込まれたため、緊張から前日は深夜1時30分くらいまで寝付けなかったという。それでも周囲への「感謝」をテーマに「ゲームセットの瞬間までベストを尽くす」と大観衆を前に立派に誓った。そんな新保の元には開会式後、両親それぞれから「試合でも堂々とやれ!」というLINEが届いた。大阪で離れて暮らす家族からのうれしい励ましを胸に、最後まで諦めずに戦い「チームでも自分が一番堂々とプレーできた。甲子園は自分を成長させてくれた場所。今足りないところを分からせてくれた、自分たちを成長させてくれる聖地です」と誇らしげに話した。

 小学生時代に所属した八尾ファイターズボーイズ(現・八尾河内ボーイズ)では阪神・西田直人内野手(24)とともにプレーした。共通の知り合いを通じて仲良くなり、野球のことを1から教わった。新保の父・勝也さん(44)は「弟みたいに可愛がってもらった。(西田)直人がやることを利於もやる。ほんとの兄弟みたいだった」とほほ笑ましそうに振り返る。

 西田が大阪桐蔭高2年時に出場したセンバツには、当時小学4年だった新保を連れて親子で甲子園に応援に訪れた。その時交わした「僕も甲子園に出たいな~」という言葉。そんな憧れが8年越しに現実となり「まさか利於も出られるなんて」と勝也さんは感激の表情で、グラウンドを駆けまわる息子の姿を見つめた。「夏は校歌を歌いたい。宣誓も夏もしたい気持ちはあります」と新保。聖地で得た貴重な経験を生かし、夏も必ず戻ってくる。

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