日本航空石川、「データ野球」の膳所打ち砕く 通算22発の小板「分析されようが関係なく打つ」

スポーツ報知
中村監督が打撃力に最も信頼を寄せる航空石川・小板

 第90回記念センバツ高校野球大会が23日、甲子園球場で開幕。24日第3試合で21世紀枠の膳所(滋賀)と対戦する日本航空石川(石川)は開会式後、大阪市内で練習を行った。相手を徹底分析する「データ野球」を掲げる膳所に対し、航空石川打撃陣は「分析など関係なく打ち勝つ」と断言。まずは石川県勢として2014年金沢以来となるセンバツ勝利に挑む。

 日本航空石川の大砲コンビが、膳所の「データ野球」を打ち砕く。高校通算26本塁打の上田優弥左翼手(3年)は「データを取られていても、野手の頭を越えたら関係ない」ときっぱり。通算22本塁打の小板慎之助一塁手(3年)も「野球はそんなに簡単じゃない。分析されようが、関係なく打ちたい」と強気に語った。

 膳所の分析専門部員によって、航空石川は丸裸にされている。一方で、膳所のデータは入手困難だった。膳所は滋賀大会準々決勝で敗れて地区大会にも出場していないため、188センチのエース右腕・手塚皓己(3年)らの試合映像は皆無。唯一の手がかりが、18日の甲子園練習の映像だった。

 わずかなデータを基に、長身エース対策を講じた。185センチの中村亮太遊撃手(2年)が“仮想・手塚”に扮(ふん)し、打撃練習に登板。1年夏まで投手だった中村亮は「前日に投げるように言われ、映像を見た。少しゆったりしたフォームを意識して投げた。試合では打つ方でチームに貢献したい」と活躍を誓った。

 敵は「データ野球」だけではない。59年ぶり出場の膳所のアルプス席には、多数のOBら大応援団が駆けつける見込みだ。中村隆監督(33)は「ヒット1本で2、3点取ったような歓声が上がるかもしれない。流れに振り回されないようにしなければ」と警戒した。

 練習後には、大阪市の大阪護国神社を訪れて必勝祈願。小坂敏輝主将(3年)は「一人一人は『やってやる』と思いながらも、チーム全体としては落ち着いている」と明かした。目標に掲げる「全国制覇」へ、航空石川の離陸準備が完了した。(勝田 成紀)

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