【センバツ】聖光学院、小技で粘り1勝一番乗り…福島県勢初の開幕試合制した

スポーツ報知
東筑との接戦を制し、笑顔で駆け出す聖光学院ナイン

◆第90回センバツ高校野球大会第1日 ▽1回戦 東筑(福岡)3─5聖光学院(福島)(23日・甲子園)

 どこよりも早い勝ち名乗りだ! 開幕戦で聖光学院(福島)が東筑(福岡)に5―3で競り勝ち、2回戦に進んだ。90回記念大会で選ばれた、県勢春夏合わせて初の開幕試合という重圧を力に変えて奮闘。2番・横堀航平中堅手(3年)が9回に決勝点となるセーフティースクイズを決めるなど、強打のチームが小技を絡めて勝ち切った。2回戦は第5日(27日)第1試合で、東海大相模(神奈川)と対戦する。開会式では東北勢4校が堂々の入場行進を見せた。

 今大会で一番最初に流れた試合後の校歌を歌い上げた聖光学院の選手たちが、三塁側アルプス席へ元気よく駆け出した。東筑を破って開幕戦に勝利。斎藤智也監督(54)が「勝てるとすると、こういうパターンだと思っていた」と振り返ったように、チームは最後まで粘りを見せた。それは開幕試合に選ばれたという強い責任感から生まれたものだ。

 試合前日22日のミーティングで、横山博英部長(47)から選手たちへ、『使命』と銘打った約600字の文章が手渡された。そこには「センバツは90回記念大会、夏は100回記念大会、君たちは2000年生まれが主のミレニアム世代。記念すべき1年の幕開けとなるセンバツのオープニングゲームは、野球の神様に選ばれし者しか立てない舞台」という内容の一文があった。

 「甲子園で戦う、という気持ちが見えなかった」と横山部長は説明。選ばれし者の自覚を持ち、選手たちは果敢に戦った。1番・田野孔誠遊撃手(3年)が初回の第1打席で初球をたたいて、勢いを呼び込む中前打。5番・須田優真一塁手(3年)は初回に先制左前打、2―3の5回には同点の中犠飛と2打点を挙げた。

 9回1死二、三塁では、横堀の一塁方向へのセーフティースクイズが失策を誘い、2点を勝ち越した。チームは3月上旬の沖縄合宿でバント失敗が続き、フリー打撃では最後の3本は必ずバントを成功させるように徹底した。昨秋、公式戦1試合平均9得点の強打が目立つが、横堀は「つなぐのがウチの野球。監督から『ウチらしいな』と言われました」と笑顔だ。

 2回戦で当たる東海大相模とは、2015年夏の甲子園2回戦で対戦し、1―6と敗れた相手。「やるべきことをやってリベンジしたい」と横堀が宣言した。強敵にも一丸となり、全力でぶつかる。(有吉 広紀)

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