【センバツ】富山商、プロ注目エース沢田が力投161球…強打の智弁和歌山追いつめた

スポーツ報知
敗れたものの、161球の力投を見せた富山商・沢田

◆第90回センバツ高校野球大会第3日 ▽2回戦 智弁和歌山(和歌山)4―2富山商(富山)(25日・甲子園)

 プロ注目の右腕・沢田龍太(3年)が初戦で姿を消した。9年ぶり出場の富山商(富山)は、2―4で智弁和歌山(和歌山)に逆転負け。09年以来の勝利は果たせなかった。先発の沢田は序盤から力投を見せ、初回には自己最速を3キロ更新する143キロをマーク。8回には2失策などで勝ち越しを許したが、智弁和歌山の強力打線を8安打7三振、自責点2に抑えて完投した。

 富山商のエース沢田が161球を投げ抜いた。9回、智弁和歌山の最終打者を見逃し三振に仕留めて気勢を上げたが、その裏に追いつくことはできなかった。同点の8回2死から2失策などで失点し、沢田は「勝てるゲームだったかなと思っています。1勝を目標にしてきたので、勝ちきれなかったのはすごく悔しい」と肩を落とした。

 初回。大舞台の初球で、いきなり自己最速を更新した。全力投球でストレートを外角高めに決めると、142キロと表示。「真っすぐの感触は秋より良かった。思い切って投げようと思っていました」。昨年6月に記録した140キロを上回ると、伸びのある直球を連発。次打者には143キロをマークし、最速記録をさらに伸ばした。

 智弁和歌山のプロ注目の左スラッガー・林晃汰(3年)を5打数無安打、2三振と圧倒した。「いいバッター。左打者にはフォークで攻めて、うまく決まった」と手応え。試合の途中には、4万6000人の満員御礼となり「すごく緊張したけど、抑えると歓声が上がる。気持ちよかったです」。4回にも守備のミスから失点したが、動じることはなかった。

 ネット裏では各球団のスカウトが視察。DeNAの吉田孝司編成部長は「しっかりと腕が振れている。まだまだ投げ込みが足りないだろうが、夏に向けて楽しみ」と期待すれば、日本ハムの熊崎誠也スカウトは「フォークが良かった。中学の頃から見ているが、これくらいはできると思っていた」と評価した。

 昨秋から冬は徹底的に下半身を強化。秋は学校と標高80メートルの呉羽山を3往復し、18キロを走り込んだ。雪の降る冬期はエアロバイクで鍛え上げ、球速アップにつなげた。「甲子園の土? 夏に戻ってくるので必要ありません。もう少しスピードアップしたい」と沢田。悔しさをバネに、夏こそは聖地で勝利を果たす。(中田 康博)

 ◆沢田 龍太(さわだ・りゅうた)2000年9月19日、富山県生まれ。17歳。呉羽小2年から野球を始め、呉羽中では富山ボーイズに所属。高校入学後は1年秋から背番号1。昨秋の公式戦は8試合に登板し7完投、防御率1・70。183センチ、81キロ。右投右打。趣味は音楽鑑賞。

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