【センバツ】大阪桐蔭、春連覇 根尾昂が大会初の2年連続胴上げ投手

スポーツ報知
9回2死一塁、智弁和歌山・根来を一ゴロに打ち取り優勝を喜ぶ大阪桐蔭・根尾(カメラ・小梶 亮一)

◆第90回センバツ高校野球大会最終日 ▽決勝 大阪桐蔭5-2智弁和歌山(4日・甲子園)

 大阪桐蔭が逆転勝ちし、36年ぶり史上3校目の春連覇を達成した。今秋ドラフト1位候補の根尾昂遊撃手(3年)が9回6安打2失点に抑え、センバツ初の2年連続胴上げ投手に輝いた。

 西谷浩一監督(48)は春夏合わせて6度目の優勝で、元PL学園監督の中村順司氏(71)=現名商大総監督=と並んで歴代トップに躍り出た。同校は夏を含めて決勝は7戦全勝となった。智弁和歌山は、大阪桐蔭に公式戦5連敗で24年ぶりの優勝を逃した。

 ウィニングボールは自らつかんだ。5―2の9回2死一塁、ベースカバーに入った根尾が一塁を踏み、大阪桐蔭の春連覇が決まった。脱げた帽子を拾った智弁和歌山の田中勇也に「ありがとう」と声をかけ、健闘をたたえ合った。遅れて歓喜の輪に加わったのが、根尾らしかった。「最後はマウンドに集まれなかったけど、みんなが駆け寄っていくところを見て良かった」と、史上3校目の偉業をかみしめた。

 強力打線を最速145キロの直球でねじ伏せた。4回に先取点を許したものの、9回6安打2失点。前日の8回99球に続き、140球を投げ切りセンバツ初の2年連続胴上げ投手となった。「力以上のものを甲子園が出させてくれた」。8回無死二塁では左前適時打で5点目を挙げ、大会通算は打率5割で8打点。投げても3登板で3勝、防御率1・04と二刀流が投打でフル回転した。

 中学時代の飛騨高山ボーイズ・井上太代表(55)が「練習態度が素晴らしい。コーチが1人いるような感じ。野球ができるのに自慢したり、テングになることが一切なかった」という優等生。副主将として、中川卓也主将らとプロ注目選手が7人のタレント軍団を引っ張った。

 昨春のVメンバーが7人残り、「史上最強」ともてはやされたが、昨夏の甲子園は守備で中川が一塁ベースを踏み損ねて3回戦で敗退。昨秋の明治神宮大会も準決勝で敗れた。年明けに西谷監督から「これまでのチームで(力は)10番目ぐらい。上位3チームに入るぐらいにならないと連覇はできない」と、忠告された。

 2月頃から優勝メンバーを中心とした9人が打撃、投手、寮などのパートリーダーになり、中川と根尾を支えた。「日本一の寮生活を目指そう!」と、自由時間や就寝時間を削ってまで毎日ミーティングをし、最長は3時間に及んだ。9人で回す野球ノートには、この日に「何が何でも春連覇したい!」と書いた宮崎仁斗が7回に決勝打を放った。

 夏の甲子園は史上初となる春連覇&春夏連覇に挑戦する。「次は夏の山で、てっぺんを取れるようにしたい」と根尾。第100回の記念大会で史上最強の称号を手にする。(伊井 亮一)

 ◆2年連続胴上げ投手 大会初。第一神港商の胴上げ投手は1929年が西垣徳雄、30年が岸本正治で、PL学園は81年が西川佳明、82年が榎田健一郎。

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