センバツ8強の星稜・林監督「全く別のチーム作って、別の山を登っていく」

スポーツ報知
2回戦の富島戦でナインに指示を出す星稜・林監督(右)

 センバツ高校野球で星稜、日本航空石川の両校が、石川県勢最高成績に並ぶベスト8進出の躍進を見せた。星稜の林和成監督(42)と航空石川の中村隆監督(33)がインタビューに応じ、センバツでの戦いを振り返るとともに、第100回記念大会となる夏の甲子園へ向けた意気込みを語った。13日には、金沢市内で春季石川大会の組み合わせ抽選が行われた。(取材・構成=勝田 成紀)

 13年ぶり12度目の出場となった星稜は、1995年以来、23年ぶりの白星を挙げ、92、95年の史上最高成績に並ぶベスト8進出も果たした。

 「新チーム結成当初は、就任7年目で下から1、2番目に弱い代だと思っていた。そのチームがよく全国ベスト8まで行った、という思いはある。一方で、準々決勝は8回裏に追いつくなど勝てた試合だった。もっと甲子園で勝たせてあげたかった、という悔しさもある。その半分半分ですね」

 投手陣は、146キロ右腕・奥川恭伸(2年)が16回0/33失点と好投。全試合に先発したエース右腕・竹谷理央(3年)は10回12失点と本来の力が出せなかった。

 「奥川は昨秋からさらにスケールアップした。130キロ台後半の球にも打者が差し込まれていた。明らかに球質が良くなり、変化球の精度も上がった。竹谷の不調は、精神的な部分と技術的な部分の両方が原因。夏に甲子園に行けるかどうかは、2人がどれだけ軸となれるかが課題となる」

 打線は山瀬慎之助(2年)が10打数6安打、南保良太郎(3年)が13打数7安打を放つなど、3試合とも2ケタ安打を記録した。

 「打撃に関しては、冬場に取り組んできた成果が出た。特に冬の『強化指定選手』だった山瀬は、スイングスピードも速くなり、本当に成長した。将来的にはクリーンアップも打てる打者になってもらいたい」

 目指すは95年以来、23年ぶりの春夏連続出場。指揮官はセンバツに背番号4で出場した東海林航介(2年)を外野手にコンバートするなど、チームのさらなる進化へと着手している。

 「センバツ8強はもう過去の栄光。もう1回全く別のチームを作って、別の山を登っていく。センバツで負けた夜、新たに『捲土(けんど)重来』をスローガンに夏を目指すと話し合った。ベスト8からベスト4の間には大きな壁がある。そこにもう一度チャレンジできるチームを作って、夏に甲子園に戻って来たい」

 ◆林 和成(はやし・かずなり)1975年7月23日、金沢市生まれ。42歳。星稜高では松井秀喜氏と三遊間を組み、91、92年夏、92年春に甲子園出場。日大では準硬式野球部で全国大会優勝。98年に星稜高コーチに就任し、2004年に部長、11年から監督。監督としての甲子園出場は、13、14、16年夏と18年春。

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