北照、10年連続全道大会 ルービックキューブ校内V3の左腕・原田が5回10K0封

スポーツ報知
右打者の内角を攻める北照・原田(左)

◆春季北海道高校野球地区予選 代表決定戦 北照6-1小樽水産(16日・小樽市営桜ケ丘) 

 5地区で11試合が行われた。小樽地区代表決定戦は、北照が6―1で小樽水産を下し、10年連続34度目の全道大会(28日開幕・札幌円山)出場を決めた。5回から登板したエースの原田桂吾(3年)が5回2安打10奪三振。ルービックキューブが特技の変則左腕が、無失点の力投で逆転劇を呼び込んだ。室蘭地区では、今春のセンバツに出場した駒大苫小牧が苫小牧高専に9―0で7回コールド勝ち。1年生の綿路(わたじ)翔英、北嶋洸太の両右腕が、ともにデビュー戦で無失点と好投した。

サイド左腕本領 クロスファイアがさく裂した。1点ビハインドの5回にサイド左腕・原田が登板。インステップから最速138キロの直球で右打者の内角をえぐり、左打者にはスライダーで空を切らせた。5回2安打無失点。アウト全15個のうち、10者から三振を奪い、「絶対に打たせないで、流れを変えたかった」と胸を張った。

 2戦34得点の打線も、エースの気迫に応えるように目を覚ました。5回。相手の暴投で追い付き、なおも2死二、三塁で掛谷和紀三塁手(3年)が「楽にしてやりたかった」と中前へ勝ち越しの2点適時打。6、7回にも加点し、突き放した。

「30秒でできる」 「ルービックキューブ王者」の顔を持つ変則左腕だ。北照では年に2度、校内でルービックキューブ大会が開かれる。トーナメント方式で、2人が並んで座り、タイムを競う。原田が初出場した1年夏は1分30秒を要し決勝で敗れたが、暇な時に触っているうちに“脳力”アップ。「今は30秒あればできる。もう負けることはない」と1年冬からは3連覇中だ。

課題の制球安定 北照一の集中力は、本業の野球にも生きている。2、3月は、毎日100球近くを投げ込み、多い日は200球に達した。「フォームを固めたかった。体力もついた」。課題の制球は安定し、上林弘樹監督(38)も「成長した」と目を細める。

 今春、初めてエースナンバーを背負う。「自覚が増した。全道でも強気に攻めたい」。立方体パズルを白球に持ち替えた原田が、スコアボードに“0”をそろえる。(宮崎 亮太)

 ◆ルービックキューブ ハンガリーの建築学者であるエルノー・ルービックが発明した立方体パズル。一般的には縦3×横3の面が計6つあり、各列を自由に回転させて、異なる色をそろえて遊ぶ。日本では1980年に発売され、大ブームを巻き起こした。2年に1度の世界大会は、67の国と地域から約1000人がエントリーする。世界記録は4秒22。

 ◆原田 桂吾(はらだ・けいご)2000年5月20日、札幌市生まれ。17歳。小学2年の時に発寒ジュニアファイターズで野球を始める。北照では2年秋に背番号11で初のベンチ入り。好きなプロ野球選手は日本ハムの宮西尚生。171センチ68キロ。家族は両親と兄、妹。

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