東北・阿部真大、柴田の好投手・柴崎から9回逆転打 昨秋の雪辱果たす

スポーツ報知
9回1死二、三塁から右翼線へ逆転の2点適時二塁打を放つ東北・阿部真

◆春季高校野球宮城県大会 ▽準々決勝 東北5―3柴田(23日・石巻市民)

 宮城準々決勝で、東北が柴田に5―3で逆転勝利。9番・阿部真大(なおた)捕手(3年)が9回1死二、三塁から逆転の2点適時打を放ち、昨秋県大会1回戦で敗れた相手にリベンジした。

 チームメートが喜ぶ三塁側ベンチや控え部員が集まる左翼芝生席に向けて、東北・阿部真は二塁ベース上から何度も両手を突き上げた。1点を追う9回1死二、三塁から、右翼線にしぶとく落とす逆転の2点適時二塁打。阿部真は「仲間がためてくれた走者なので、絶対に(本塁へ)かえそうと思った」と胸を張った。

 雪辱勝利だ。柴田には昨秋県大会1回戦で2―3と惜敗。この日は1回に2点を先制したが、5回に2―3と逆転された。我妻敏監督(35)は5回終了時にベンチ裏へ選手を集めると、昨秋と同じスコアになったことにこう言い放った。

 「ちょうどいい。この冬やってきたことの成果が出ているのかを見せてくれ」

 柴田の投手は県内屈指の左腕で、昨秋も敗れている柴崎倭(やまと、3年)。あの悔しさを晴らすため練習してきたと、打線は6回以降、毎回三塁へ走者を進めて柴崎を攻め立てた。負けている状況を想定し、逆転するための打撃練習を続けてきたと明かした阿部真は、「終盤に勝つための練習をやってきた。負ける気はしなかった」。指揮官も「やってきたことを発揮できるか。そこは技術じゃなく気持ち」と、日々の練習を決勝打につなげた阿部真をたたえた。

 26日の準決勝は利府と対戦する。「このチームで1番(優勝)を取っていない。てっぺんを取って夏に向かいたい」と我妻監督が話せば、阿部真は「優勝して、練習が間違っていないんだとみせたい」と決意。2年連続の春季県王者へ、東北が突き進む。(有吉 広紀)

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