健大高崎、驚異231発打線で関東大会V 山下は高校通算71号「ちょっと驚きました」

スポーツ報知
5回無死一塁、右越えに2ランを放つ高崎健康福祉大高崎・山下(カメラ・宮下 京香)

◆春季高校野球関東大会 ▽決勝 高崎健康福祉大高崎15―10日大三(23日・千葉県天台)

 関東大会は決勝が行われ、高崎健康福祉大高崎(群馬)が驚異の200発超打線で6年ぶり2度目の優勝を飾った。今秋ドラフト候補のスラッガー・山下航汰外野手(3年)が高校通算71号となる右越え2ランを放つなど、3本塁打を含む20安打15得点で日大三(東京)との乱打戦を制した。これまで機動力を武器に戦ってきたが、今大会は4試合で計7本塁打、51安打39得点。同校史上最強打線で、第100回の記念大会となる夏の甲子園初Vを目指す。

 快音とともに大きな放物線が描かれた。1点リードの5回無死一塁。1番・山下が直球を振り抜く。打球は右翼芝生席の最上段で弾んだ。「少し詰まってたので、自分でもちょっと驚きました」。4試合目で飛び出した今大会1号。本人も目を見張る特大弾となった。

 世代最強アーチストだ。身長174センチながら、大阪から越境入学した健大高崎では、1年夏から4番。2年のセンバツでは史上2人目となる1大会2満塁本塁打という離れ業。昨夏の群馬大会でも5試合連続アーチを放ち、同大会の連続試合本塁打と個人1大会最多本塁打の新記録を樹立。昨年の早実・清宮(現日本ハム)の111発には及ばないが、高校通算71発は、同世代で全国最多とみられる。

 同校は「機動破壊」をスローガンに掲げ、甲子園に旋風を巻き起こしてきたが、今年は強打者ぞろい。この日のスタメン野手8人の高校通算本塁打数は231本にも達する。青柳博文監督(45)が「今年の野手は歴代最強。初回に鋭い打球を打って、チームを勢いづける打撃をしてほしい」と今春から1番を託したのが、この山下だった。

 1番が火を付けた打線は、3発を含む20安打。15得点は春の関東決勝史上最多だ。「この優勝も、夏の甲子園で優勝しないと意味がない。まずはぶっちぎりで群馬大会を優勝したい」と山下。100回大会の主役は譲らない。(片岡 泰彦)

 ◆山下 航汰(やました・こうた)2000年11月15日、大阪・柏原市生まれ。17歳。小3から野球を始める。柏原中では「羽曳野ボーイズ」に所属し、3年時にジャイアンツカップ優勝。高校では1年春からベンチ入り。50メートル6秒3。好きな選手は「ちっちゃくてもホームランを打てる打者になりたい」とオリックス・吉田正。174センチ、78キロ。右投左打。

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