航空石川、富山商とのセンバツ対決制した 先発・上田俊6回途中2失点「自信になった」

スポーツ報知
公式戦初登板でセンバツ出場の富山商を5回1/3で2失点に抑えた航空石川・上田俊

◆春季高校野球 北信越大会 ▽1回戦 富山商2―5日本航空石川(2日・石川県立)

 開幕し、日本航空石川(石川2位)が富山商(富山2位)を5―2で下し、センバツ出場校対決を制した。公式戦初登板の上田俊輔(3年)が、5回1/3を2失点と好投。189センチ、111キロの超大型ルーキー、嘉手苅(かてかる)浩太は3回無失点で公式戦デビューを飾った。富山商のエース右腕・沢田龍太(3年)は完投したが、6安打5失点を許した。金沢(石川3位)は上田西(長野2位)に延長11回1―0で勝利。エース左腕の大筆一輝(3年)が完封した。

 航空石川の投手陣に、2人の新戦力が加わった。先発した上田俊は、2週間前にAチームに昇格したばかり。公式戦初登板だったが、スライダーとチェンジアップを低めに集めて打者22人から7三振を奪った。「緊張したが2回以降は自分の投球ができた。自信になった」。初勝利に笑みがこぼれた。

 5歳から中3まで習ったピアノで、指先の感覚を磨いた。「変化球が投げやすい。投げる瞬間に手首を切る感じがピアノと似ている」。高校入学時には電子ピアノ持参での入寮を切望したが、寮の規則で断念。今年2月までは、音大進学を本気で考えていた。中村隆監督(34)は「手先が器用で変化球を色々操れる。ピアノの発表会で大舞台にも慣れているのか、立派にやってくれた」と目を細めた。

 センバツでは、アルプスでチームメートを応援しながら「うらやましいな」と感じていた。「何か特徴がないとAチームには行けない」と決意。最速134キロの直球で押すスタイルを封印し、変化球とコントロールを重視することで「劇的に変わった」と開眼した。

 もう1人の新戦力・嘉手苅は、小学生時代にU―12侍ジャパンに名を連ねた野球エリートだ。7回から登板し、3回を無失点。高校デビュー戦でセンバツ出場校を抑え「直球は走っていなかったが、変化球でストライクが取れた。70点ぐらい」と手応えを口にした。

 チームの目標は「全国制覇」。音大志望だった上田俊も、今では「この先も野球を続けていきたい」と考えている。「夏もメンバーに入って、全国制覇に貢献できる投手になりたい」。センバツ8強の航空石川の戦力は、さらに厚みを増している。(勝田 成紀)

野球

×