【沖縄】八重山、島人(しまんちゅ)ぬ1勝!離島から甲子園へ第一歩

スポーツ報知
沖縄県大会が開幕、大きくインステップする独特の投法で好投した八重山・川原

◆全国高校野球選手権 沖縄県大会 ▽2回戦 八重山5―4美里工(23日・北谷公園)

 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月7日開幕・甲子園)の出場56校を決める地方大会が23日、全国のトップを切って沖縄と南北北海道で開幕した。沖縄では、八重山の変則140キロ右腕・川原光(3年)が14年センバツに出場した強豪・美里工に4失点完投勝ち。離島からの甲子園出場へ向け、好発進した。また、南部工は夏の大会に初導入されたタイブレーク制度の末、八重山商工を下した。北北海道の十勝地区では、帯広北が全国一番乗りで白星を挙げた。各地で順調に日程を消化すれば、7月19日に岩手で全国最初の代表校が決まる。

 170センチ、73キロの体を、最大限に躍動させた。川原は極端にインステップする投球フォームから角度のある直球を投げ込み、美里工打線に快打を許さない。終盤に3点を返されたが、147球の力投で堂々の完投勝ちだ。「最後は気持ちで投げました。気合で勝てました」。全国で最初に梅雨明けした強烈な日差しを浴びた小さなエースは、大粒の汗を拭った。

 ハンデを武器に変えた。離島勢にとって、費用面から島外への遠征は難しく、実戦経験不足は永遠の課題。だが、「僕のクロスする球は、初対戦の相手にはすごく有効。強豪校に情報がいかないのはいいと思います」と川原。中学時に自然と身についたという独特の球筋で最速140キロをマーク。強力打線を困惑させた。

 因縁の相手だった。与那城吾朗監督(32)は、昨年3月まで美里工の副部長。昨夏の2回戦でも対戦し、延長13回サヨナラ勝ち。今月上旬には美里工が石垣島に遠征し、練習試合で顔を合わせてもいた。その後の抽選会で初戦での対戦が決定。指揮官は「やりにくかったし、複雑でした」と苦しい胸の内を明かした。

 3回戦は、昨夏代表の興南との対戦が有力。興南への進学も検討していた川原は「興南に勝って、島に残ったことが正しかったことを証明したいです」。離島からの甲子園出場に意欲を示した。(片岡 泰彦)

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