高岡商のプロ注目左腕・山田、甲子園で「借り返す」

2連覇を狙う高岡商は、プロ注目のMAX148キロ左腕・山田龍聖(3年)が好調をキープする。昨夏の甲子園で、大量失点し、初戦敗退を喫した悔しさをバネに練習に励んできた。今月中旬の強化合宿では、135本の砂浜ダッシュを行うなど、猛特訓で心身ともに増強。勝負の夏で、最速150キロ突破と聖地での日本一を目指していく。
北陸屈指の剛腕・山田が、いよいよ最後の夏に挑む。ブルペンでは、切れのあるストレートと変化球を力強く投げ込み、調子は上々だ。春の県大会、北信越大会ではプロ12球団のスカウトが姿を見せた。編成部長クラスも多く訪れ、その将来性の高さに注目が集まっている。「プロに行きたい気持ちもあります。評価はうれしいですが、自分としては甲子園に行きたい。そのことだけを考えています」。プロへの思いはいったん封印し、夏の甲子園に照準を合わせる。
地獄の校内合宿を乗り越えた。今月13日から3泊4日で行われ、厳しい走り込みとノックを中心に、大会前最後の追い込み特訓に取り組んだ。15日には学校から氷見市・島尾海岸まで約10キロをランニング。さらに富山大会の決勝までの5試合×27アウト分を意味する135にちなみ、砂浜で約30メートルのダッシュ走を135本決行した。
「バテたけど、気持ちで負けたくない。全部で三振を取るという気持ちで、一歩一歩、全力で走りました」。ダッシュ後は学校まで再びランニング。翌朝はベットから起き上がるのも大変だったというが、下半身をいじめ抜き、夏を乗り切る体力を作り上げた。
「150キロ出したい」 昨夏の甲子園。約4万6000人の満員スタンドの中、初戦の東海大菅生(西東京)戦で、8回からリリーフした。しかし、制球が乱れて6失点。9回途中に降板し、1―11で大敗した。「自分の力は全然足りなかったが、成長させてくれた。借りを返して、日本一を目指したい。出したい数字は150キロです」と山田。雪辱を果たすため、大台突破で大きな目標を引き寄せる。(中田 康博)
◆山田 龍聖(やまだ・りゅうせい)2000年9月7日、氷見市生まれ。17歳。窪小4年から野球を始め、氷見西條中を経て、高岡商に入学。1年秋に公式戦初登板し、昨年6月に148キロを記録。昨夏の富山大会決勝の高朋戦では8―2で完投勝利を挙げた。182センチ、80キロ。左投左打。血液型B。家族は両親、弟。尊敬する選手はエンゼルスの大谷翔平。