【南北海道】函館稜北、3学年そろう最後の夏 南大会初勝利だ

スポーツ報知
試合後、勝利を喜び合った函館稜北の米谷(右)と宮地

◆全国高校野球選手権 南北海道大会 函館地区▽Bブロック1回戦 函館稜北2―0函館大谷(函館オーシャン)

 北見地区が開幕し、5地区で18試合が行われた。函館地区では、ロックバンド「GLAY」のリーダー・TAKURO(47)らの母校・函館稜北が、函館大谷に2―0で勝利。エース右腕の宮地諒と米谷賢人左翼手の“2年生コンビ”が投打で躍動した。2021年3月の閉校が決まっており、3学年がそろう最後の夏に、南北海道大会初勝利を目指す。札幌地区では、札幌大谷が北広島西に10―0で6回コールド勝ち。身長183センチのプロ注目右腕・菊地吏玖(りく、3年)が5回を1安打8奪三振と、万全のスタートを切った。

 幼なじみの“2年生コンビ”が投打で輝いた。0―0の3回2死一、三塁。函館稜北の5番・米谷が内角直球をたたき、先制の左前適時打を放った。「宮地を楽にしたかった。つなぐ意識だった」と、1点リードの5回にも中犠飛を放ち、この試合の2点を一人で稼いだ。

 2人の自宅は徒歩5分の距離。小中高とチームメートの米谷に援護され、エース右腕の宮地も奮起した。13人に出塁を許しながら、130キロ台中盤の直球を軸に、7回を無失点に抑えた。「打ってくれて助かった。変化球も使いながら抑えられた」

 この夏は、これまで以上の気持ちで「円山」(南北海道大会)を狙っている。函館稜北は人気ロックバンド「GLAY」のリーダー・TAKUROやHISASHI(46)の母校としても知られる。生徒数減少による再編統合のため、2021年3月の閉校が決まっており、在校生は現在の校舎に通い続けるが、来春からは生徒募集が終わるため、3学年そろっての出場は今夏が最後だ。

 「3年生は気配りしてくれて、1年生も裏方で支えてくれる。先生の熱も感じるし、今年に懸ける思いは強い」と米谷。脇沢潤一監督(48)が「(勝ち進む)可能性のある代(チーム)は行く」と話したように、今夏の大会前は、黒松内で3年ぶりとなる1泊2日の直前合宿を実施。2日間で練習試合5試合を戦い、臨戦態勢は整った。

 次戦はシード校の知内と対戦するが、宮地は「南大会で絶対に勝ちたい」と先を見据える。南北海道大会初勝利しか眼中にない―。8年ぶりの円山切符を目指し、力を結集する。(宮崎 亮太)

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